
大会初日の最高気温は35度で暑さが加わる厳しい戦いが強いられたが、第2ラウンドは最高気温25度と一気に気温が下がりコースには涼しい空気が漂った。午前組はプラヤド・マークセン(59)がスタートから連続でバーディを仕留め、前半は34でターン。後半ではパー3、パー5でそれぞれバーディを奪取し、終わってみれば68。グリーンを外さずにチャンスをつくったラウンドだったといい「昨日よりも良い状態でプレーできましたね」と白い歯をみせた。母国タイでは、日の出とともにプレーをする習慣が身についているというマークセンなので、朝早いスタートはエンジンのかかりが良いのである。

「前半の 9 ホールは自分の思ったところと外したところと 半々でした。後半はピンポジションが後ろの方だったので、グリーンをオーバーすると難しくなりますから、注意して上りを残すように、なるべく手前からを意識しました」と用心して挑んだラウンドだった。
その成果もあり、淡々とバーディーチャンスを重ね、スコアをジワリと伸ばしていくことに成功したのだ。
マークセンは今年のシニア2戦目「ノジマチャンピオンカップ」で優勝を飾り、続く「すまいーだカップ」「スターツシニア」では2位と勢いがあった。タイに帰国し2か月後のマルハン太平洋シニア(51位)、IASSシニア(31位)に出場したが順位は振るわなかった。その理由は「僕は2日や3日間よりも4日間トーナメントの方が得意なので、この大会は相性が良いのだと思います」と理由は的を得ている。レギュラー6勝、シニア24勝のうち"12"の4日間大会で優勝をしているのである。

日本シニアオープンで優勝した2016、2017、2018、2022年という”4年”についていえば、マークセンがシニア賞金王に輝いている年でもある。マークセンはこれまで賞金ランキングトップ10を外したことはなく、もうすぐ60歳を迎えるとは思えない強靭な気力と体力を備えている。
予選の2日間は同組に原辰徳というビッグネームの存在があり、ゴルフファンの注目を集めたが「私にとっても幸せな体験でした。原さんとはホームコースでもあるタイのストーン・ヒルのゴルフ場にぜひ来ていただいて、一緒にプレーしましょうと話できましたし良かったです」と打ち明けた。「とにかくプレーの速い方でしたので、全体が良いプレーペースでした。大勢のギャラリーを引き連れてラウンドができて、まるで最終組でプレーしている感じがあって、とても楽しかったです」。
ゴルフファンの声援を力に変えられるのはトッププレーヤーの証。決勝ラウンドの戦い方を知っているマークセンが、5度目の戴冠に向けてスタートする。
