NEWS
シニアツアー

【日本シニアオープン/前日】60代が躍進!難関の予選会をトップ通過した東聡と堤隆志の想い

2025年09月17日
Image

レギュラー4勝を挙げている64歳の東聡(ひがし・さとし)とツアー未勝利だがグランド1勝の62歳の堤隆志(つつみ・たかし)が日本シニアオープン最終予選会でトップ通過を果たして、日本シニアオープン本戦へ進出を決めている。

予選会とあなどるなかれ。日本一のシニアゴルファーを決定する試合に参加するだけでも、大変な苦労がある。1次予選が福岡、埼玉、栃木(2会場)、福井、兵庫、愛知の7会場、最終予選会は関東と関西の2会場で行われて、厳しい最終予選を通過した総勢59名が本戦への出場切符を手にした。厳しい予選会を通過したトップ選手をそれぞれの地区から紹介する。

Image

関東の最終予選会は8月25日に千葉カントリークラブ・川間コースで行われた。トップ通過を果たしたのは、6アンダーでトップタイに東聡、菊池純、梶川武志、川岸良兼の4名。なかでも東聡は、前日までシニアツアーのマルハンカップ太平洋シニアに出場し、全員参加の表彰式を終えてから千葉へ移動。翌朝の試合に挑んだということになるが「それはシニアになっても、プロとしていつものことですから」とさらりと受け流すベテランの強みを感じさせる。

「どうしても相模原でプレーしたかった」と東には予選会に挑戦する理由があった。日本大学在学中は、相模原に近い町田モダンゴルフを拠点とし、ゴルフの研鑽を積んでいたという。「あまりに相模原は近すぎて、プレーする機会に恵まれなかった。ラウンドは旧相模(相模カンツリー倶楽部)と座間のゴルフ場とかばかりでね。いつか、いつかと相模原でのプレーができると思っていたんですけど、日本オープン(2007年)は地区予選落ちだったし、今回はやっと念願叶ってプレーすることができるんです」と自力で掴んだ出場資格に自信をみなぎらせる。

Image

大学時代から数えてかれこれ40年近くの月日が流れ、東にとってはようやく相模原で味わうゴルフ。コースの印象は「長くは感じないですけど、芝は順目と逆目が入り組んでいるので難しいです。グリーンは受けていて、なおかつ傾斜がある。だからこそきっちりとマネジメントをして挑まないとだね」というコースコンディションを把握したばかりでもある。

「若い世代の選手とくらべてたら、距離も力も叶わない。だからこそ力を抜いてやる。見た目の感覚だと本当にタイトだから、そのあたりは自分のパフォーマンスの中でやることが大事。アウトもインもスタートから3ホールで流れを掴めるかどうかです」。

レギュラー7勝を挙げている大ベテランだからこそ、タフな状況もしっかりと受け入れる。「とにかくアンダーバーで回りたい。それができれば色々な道が開ける」と予選会トップ通過の貫禄を纏い、念願の相模原へ勝負を挑みにいく。


Image

関西で行われた最終予選会も、関東と同日程の8月25日。会場は鳥取県にある大山ゴルフクラブだった。2位に2打差の5アンダーでトップ通過を果たしたのは堤隆志。堤は今年のシニア最終予選会では78位とツアー出場の機会はなかなか巡ってこないが、2024年の関西グランドシニアで優勝していることもあり、シニアツアーには全力で挑戦中という元気な60代の選手のひとりでもある。

堤は2022年12月に左ひざに人工関節を入れる手術を決断。辛いリハビリを経て試合に復帰した。その話を持ち出すたびに「痛みも無くなって、ようやくゴルフに集中できるようになった」とビックスマイルを見せてくれる。

Image

最終予選会では、5バーディ・ノーボギーという完璧なプレーだった。「OKバーディに何度も着いたなぁ。グリーンではストレスもなにもなかった。とんとん拍子にプレーが進められた感覚」と状況を振り返った。

予選会はなんなくクリアしたものの、今週向き合った相模原の印象を聞くと、「もうメッチャ長い(笑)。440ヤードのミドルとかセカンド残り210ヤード残るんだよね。フェアウェイはまっすぐでもいいんだけど、その先が非常にわかりにくくて。60代には届かないよ」と悲鳴を上げているが「とにかくプロとしてシニアオープンの経験を積めることは大事。やるだけやって、目指すは予選通過」と笑う。

それでも今回は“とみちゃん”という高校の同級生が堤のバックを担いでくれる。「よく一緒にゴルフしていますし、僕のことはたいていわかっています。そういう意味では、最後までふたりで一緒に戦いたい」。

堤も自力でつかんだシニアオープンの出場資格で“とみちゃん”を相棒に、相模原を楽しんでくると誓う。その"とみちゃん"は「せっかくだからNHKに写る位置でプレーしてね」と堤にそっとお願いし、ふたりは間もなく大会初日を迎えることになる。

Image