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【日本ゴールドシニアユニテックス杯/最終日】「これでゴルフをやめてもいい(笑)」伊藤正己が69歳で悲願の“日本タイトル”獲得!

2025年09月05日
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68歳以上のプロゴルファー日本一決定戦、「日本プロゴルフゴールドシニア選手権ユニテックスカップ2025」(関空クラシックゴルフ倶楽部、ゴールド6,306ヤード・パー72)は全日程が終了した。悪天候によりスタートが3時間半遅れた影響で、最終日はアウトの9ホールに短縮。首位タイからスタートした岐阜県出身の伊藤正己(69歳)が2バーディ・1ボギーの「35」で回ってトータル3アンダーに伸ばし、悲願の日本タイトルを手に入れた。

会場となった関空クラシックゴルフ倶楽部の所属で、伊藤と並んで初日に首位タイに立っていた中尾豊健(74歳)は、7番パー5で痛恨のトリプルボギーを叩き、トータルイーブンパー・3位。この日「35」で回った近藤年弘(68歳)がトータル2アンダーで2位、トータル1オーバー・4位タイに佐藤正一(77歳)と渡辺司(68歳)、トータル3オーバー・6位タイに高橋勝成(75歳)と江本光(71歳)が入った。

なお、5月に開催された「関西プロゴルフゴールドシニア選手権大会 KOJIMAホールディングスカップ」では、2位の伊藤に8打差をつけて優勝した倉本昌弘は、「40」とスコアを落とし、トータル6オーバー・12位タイに終わっている。

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レギュラーツアー時代から何度も苦汁を飲まされ続けてきた日本タイトルを、69歳にしてようやく獲得した伊藤。これまで2019年と22年に「関西プロゴルフグランドシニア選手権大会」、24年に「関西プロゴルフグランドシニア選手権大会」と、関西タイトルは3つ手に入れた。しかし、日本タイトルとなると、「室田(淳)さんとか、倉本さんとかいっぱい強豪がいる」と、レギュラーツアーでも活躍してきた同世代の選手たちに跳ね返されてきた。

「関西は3回も優勝させてもらったんですけど、日本とつくタイトルは初めてのことで、しかもゴールド(68歳以上)という一番最後のクラスで自分でも不思議です。これでゴルフをやめてもいいと思っているくらい」とプレー中とは違うとびっきりの笑顔で喜びを表現する。

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今年は伊藤が「得意な方です」と語るコースで、初日に首位タイに立つビッグチャンス。「夕べからいろいろ考えました。わけわからんで寝ました」と緊張の時間を振り返る。正規のスタート時間は830分だったため、7時前にはコースに到着。だが、夜から降り続く雨の影響でコース整備に時間がかかったことに加え、9ホールに短縮された影響もあって、伊藤自身のスタートは最終的に1320分と、約5時間遅れた。その間はスパイクを履いて準備しつつ、クラブハウスで仲間たちと話しながら時間を潰していたという。

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最終日最終組で優勝を争った所属プロの中尾とは「冗談も言える好きな先輩なもんで、気楽でした。おかげで上手くいきました」と、過度に緊張することなく試合に入れた。すると、1番パー4でいきなり「5メートルないくらい」の距離を入れてバーディ発進。2番パー4では1.5メートルのチャンスにつけるも外してパー。続く3番パー3ではまた5メートルの距離を沈めてバーディとした。中尾も1番と3番でバーディを奪いピタリと並走。「これは大変なことになると思いました」と伊藤はいう。

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「そこからずっとパー」と、6番までは2人ともトータル4アンダーのままスコアは動かず。7番パー5で中尾がトリプルボギーを打ったことで、一気に勝負の流れが傾き、そのまま伊藤が逃げ切った。最終ホールこそ2日間で唯一のボギーとしたが、それまで26ホールボギーなしの安定感が光った。

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この勝利を伝えたいのは所属先の明智ゴルフ倶楽部と、小学一年生になった孫。「孫はネットを見ているので知っていると思う。帰ったら飛んでくると思います」と笑顔がこぼれる。ついに、おじいちゃんは日本一になったぞ!

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