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【最終プロテスト/3R】名キャディで清水重憲氏の息子・大雅がプロテスト“合格圏内”で最終日へ 同級生の杉浦悠太らに「追いつけるように」

2025年09月04日
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2015年、16年に賞金女王を獲得し、日本女子ツアーの一時代を築いたイ・ボミ(韓国)のエースキャディを務める清水重憲さん。その息子・清水大雅(たいが)が、自身2度目となるプロテストに挑戦している。初挑戦の昨年は2次予選で1打足りず敗退。今大会で初めて最終プロテストに進出した。

31位で迎えた3日目は2アンダー「68」をマークし、トータル2アンダー・18位タイに浮上。“合格圏内”となる50位タイ以内で最終日を迎える。

「それなりの選手が集まっているので」と緊張を抱えながら挑んだ初の最終ステージ。ここまでの3日間を振り返り、「初日はすごくいいゴルフができたのに、2日目は流れをつかめず3連続ボギーもあって厳しかった。でも『まだ2日ある』と長く見て、我慢したら最後にバーディが取れた。きょうはアンダーで回れたのでよかったです」と話した。

今週、父の重憲さんは国内男子ツアーで勝俣陵のキャディを務めている。「毎日ラインの家族グループでスコアはハーフごとに全部報告しています」と、こまめに連絡を取り合う仲。この日は「父が午後スタートだったので、僕が前半は(午前)11時半ぐらいに上がってきたので、前半のスコアは聞いてちょっと安心していた。「我慢勝負するぞ」とう励みの言葉ももらっていたやり取りを明かす。

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舞台の烏山城カントリークラブは、過去に国内女子メジャー「日本女子オープン」の開催実績もあり、難易度は高い。当時、重憲さんはボミの棄権などもあり同コースをほとんど回った経験はいなかったが、息子のゴルフスタイルを熟知している。「自分のゴルフスタイル的に伸ばすほうではないので、『我慢して、バーディがくるのを待っとけ。チャンス作りに行ったらあかんぞ』と言われました」。そんな助言が心強い支えになっている。

清水がゴルフを始めたのは大学から。今年でわずか6年目のキャリアだ。高校卒業までは野球一筋。「履正社が甲子園で優勝したとき僕は3年生。野球を続けたかったけど、父に『プロにならなくても社会でゴルフは役に立つからやってみたら』と言われ、挑戦してみることにした。今のまま野球をやっても伸びしろが…というのもあったので」と転向のきっかけを明かす。

当時、重憲さんがキャディを務めていた日大OBの堀川未来夢との縁もあり日本大学に進学。同級生には、メジャー覇者となった杉浦悠太や、今大会3日目終了時に首位に立つ出利葉太一郎がいる。「みんな上手くて、仲良くしてもらっていたので真似しながら練習していました」。コーチはつけず、同級生たちのプレーを参考に自ら技を磨いてきた。

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プロゴルファーを目指したのは大学4年生のとき。「卒業してどうするかみたいな。4年間しかまだゴルフやっていないので、伸びしろしかないから続けたほうがいいって周りからはすごい言われて、自分はまだ未知数なので就職するのはちょっともったいない。もう少しやって、諦めてからでも(就職は)大丈夫。ゴルフを続けるのはいましかない。それでやってみようとなって続けました」とプロを目指す道を選んだ。

「受けずにやめて後悔するよりかは、受けて後悔したほうがいい。ダメだったら潔くやめる。でも3日終わってこの位置なので、僕としてはすごい上出来です」と笑顔を見せた。

今年の目標はプロテスト合格。「(QTには)エントリーしていない。レベルも高いので、まずは合格してから。トップ10ならセカンドステージから行けるので、そこを目指したい。合格ラインを見るより、上を目指すほうがいいと思うので。お父さんもそう言っていた。あとは出利葉に勝ちたい」と意気込みを示した。

「いつか同級生たちに追いつけるように。悠太や太一郎が同級生を引っ張ってくれているのは頼もしい。自分もそうなれるように頑張りたい」。新しいステージを目指す戦いの最終日、大きな一歩となる一日を迎える。