
60歳以上のプロゴルファー日本一を決める「日本プロゴルフグランドシニア選手権ユニテックスカップ2025」初日は、首位のグレゴリー・マイヤーが7アンダー、2位の高見和宏が6アンダー。ともにボギーなしのラウンドでロケットスタートを決めた。明日の最終日、冨永浩と井戸木鴻樹は、4アンダー・3位タイからマイヤーを3打差で追ってティオフを迎える。

2人は優勝へのポイントとして、ともに「ティショット」を挙げる。「ティショットが難しい。(ドッグレッグで)ショートカットは1回しましたけど、距離はそんなに長くないから、なるべく見えるところを基本に、それを徹底してやりました」。冨永はティショットでメリハリをつけながら、4つのパー5のうち3つでバーディを奪った。
反対に絶対の自信があるドライバーでバーディチャンスを量産したのは、“元祖”曲がらない男だ。井戸木はレギュラーツアー時代、フェアウェイキープ率のタイトルを7度獲得している。2013年には海外メジャー「全米プロシニア」も制し、ドライバーの正確性が世界にも通用することを証明した。「距離よりも方向性を考えてやりました」と、今大会でも正確なドライバーから始まるマネジメントは変わらない。

「アイアンがもう一つでバーディチャンスは少なかったけど、ドライバーがフェアウェイに行ったら楽なコースなのでね」と、多くの選手が苦しむ高低差のあるドッグレッグホールが多い関空クラシックゴルフ倶楽部なのだが、井戸木は涼しい顔をしている。17番パー5と18番パー4を除く12ホールでドライバーを握り、難コースを攻略した。
冨永と井戸木はレギュラー、シニアを通じて日本タイトルとは縁がない。どちらが勝っても初めての日本タイトルとなる。「出ている人はみんな欲しいと思っている」と冨永が言えば、「大きな冠だから獲りたいのは獲りたい」と井戸木も同調する。

そして、3打差から逆転を狙う明日の最終日について、「普段と違うテンションになることを楽しんでやりたい」と冨永は話し、「獲りたい気持ちをちょっと抑えて、自分の考えているゴルフを18ホール通せば、いけるんじゃないかと思います」と井戸木は自信をのぞかせる。手堅くフェアウェイに置くのか、大胆に狭い所を狙っていくのか、ティショットの精度が勝敗を分けるのは間違いない。