
60歳以上のプロゴルファー日本一決定戦、「日本プロゴルフグランドシニア選手権ユニテックスカップ2025」は初日の競技が終了。アップダウンに加えてドッグレッグホールが多い関空クラシックゴルフ倶楽部に多くの選手が手を焼くなか、グレゴリー・マイヤー(63歳)が1イーグル・5バーディ・ボギーなしの圧巻のゴルフを披露し、7アンダーで単独首位発進を決めた。
1打差の6アンダー・2位に2イーグル・2バーディ・ボギーなしの「66」で回った高見和宏(65歳)、4アンダー・3位タイに冨永浩(64歳)と井戸木鴻樹(63歳)、3アンダー・5位タイに崎山武志(62歳)と小田教久(64歳)が続いている。出場59人中、アンダーパーで回ったのは、60台で回ったこの6人を含む13人だけで、イーブンパーは3人、実に43人の選手がオーバーパーを叩いた。

この初日、首位のマイヤーと2位の高見は同組で回っている。16番を終えた時点では、マイヤーが4アンダー、2イーグルを奪っていた高見が5アンダーで1打リードしていた。17番パー5は高低差45度の打ち下ろしとなる左ドッグレッグ。ティショットを左方向にショートカットすれば、短い番手でセカンドショットを打つことができ、イーグルへの期待が高まるが、OBのリスクもつきまとう。実際、ショートカットを狙わずに刻む選手は多い。
マイヤーは「17番はティショットが難しいね。みんなだいたい刻むし、刻む方が安定するね」と言いながらもドライバーを選択し、残り150ヤードから8番アイアンで2メートルにつけてイーグル。一方の高見はバーディとして6アンダーで並んだ。マイヤーは最終18番パー4をバーディで締めて、ここをパーとした高見を一気に抜き去った。
ラウンド後、マイヤーが流ちょうな日本語で「イーグル2つすごかったよ」と称えると、高見は「最後はバーディとパーで一個負けてくやしー」と笑顔で返す。続けて「イーグル取り、イーグル取られ、みたいな。良い感じだった。このコースで、このスコアで上がれたのは良かった」と、勝負には敗れたがスコアには満足げだ。3個ものイーグルが飛び出したのは、この組だけだろう。

「他の3人はよく知っている仲だから回りやすかった」と、マイヤー自身も高見、上出裕也(60歳)、田村尚之(61)との組み合わせには恵まれたと感じてる。1位と2位の2人は明日の最終日も最終組で再び相対する。高見は「(マイヤーより2つ)年上だから頑張ります」と笑い、「ゴルフは分からない。一日良くても次の日悪くなることもあるから。明日は楽しくケガしないように」とおどける。高見の大会初優勝か、マイヤーの2021年大会以来の2勝目か、それとも下から大逆転か。最終日も60代選手たちのプレーから目が離せない。
