
今年の「日本プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権大会 ユニテックスカップ2025」は、関西国際空港から車で約20分の場所に位置する関空クラシックゴルフ倶楽部で開催される。68歳以上のゴールドの部に74歳の中尾豊健が、同コースの所属プロとして挑む。
中尾はレギュラーツアー時代、1981年の「ゴルフダイジェスト・トーナメント」のプレーオフで中嶋常幸を退け、ツアー初優勝を挙げている。シニアに入ってからは通算2勝。2016年を最後にシニアツアーからは遠ざかっているが、所属プロになって5年目を迎え、今大会に出場する誰よりもコースを知り尽くしている。

「みんながコースが狭いって言うんだけど、本当は広いんですよ」と笑う。自然豊かな山岳コースでドッグレッグが多く、気持ち良くティショットを打たせてはくれない。「ドッグレッグでショートカットを狙うとOBしたりする。見えるところに打っていったら、距離は短いので、そんなに難しくない」と攻略法を話す。
また、グリーンは傾斜がきつく、トップシーズンはスピードが増してゴルファーたちを苦しめるが、夏場は芝が傷むため、短く刈ることはできない。「普段の傾斜の半分くらいしか転がらないので、カップの上につけてもチャンスはあると思います」。ティショットでは欲をかかずに、フェアウェイウッドなどで刻み、少し距離が残ってもセカンド以降で勝負をかければ、スコアは伸びると読む。

前週のレギュラーツアー「Sansan
KBCオーガスタ」では、会場となった福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部所属の石塚祥利(いしづか・しょうり)が2日目に単独トップに立つと、最終的に9位タイに入って、直近トップ10の資格で今週の「ロピアフジサンケイクラシック」の出場権を掴んだ。石塚はQTランキング323番目でレギュラーツアーの出場資格がなく、Sansan KBCオーガスタが今季ツアー初戦だった。
今大会でも所属プロの大躍進を期待してしまうが、中尾本人は「この猛暑の中でグリーンもフェアウェイも持ってくれたので、それだけで十分。自分の成績は真ん中より上くらいでいい」とまったく肩に力は入っていない。それよりも「けっこうバーディも出るので、どんでん返しもあって面白いと思う。トップのやつが落ちたりすることもあるし」と、大会が盛り上がってくれることを願う。所属プロの思い描くスリリングな試合展開を期待しよう。
