
60歳以上のプロゴルファー日本一を決める「日本プロゴルフグランドシニア選手権大会 ユニテックスカップ2025」に、7月15日に還暦を迎えたばかりのルーキー、秋葉真一が出場する。
シニアツアーで通算5勝を挙げている秋葉も、ここ2年は賞金シードを落とし「ゴルフの調子はどん底でした」と語る。3月に行われた「PGAシニアツアー予選会・最終予選会」では51位に終わり、今年は限られた試合にしか出ることができない。それでも、2週前に行われたシニアツアー「マルハンカップ
太平洋クラブシニア」では60歳以上のグランドの部で優勝を飾り、調子を上げて関西に乗り込んできた。

約2年半もの間、不調に陥った大きな原因について「アプローチが壊れていた」と秋葉は語る。イップス気味の症状で、グリーンを外すとアプローチでザックリを繰り返す。最終予選会を含む春先の試合では、生え揃っていないペタペタな芝なため余計に難しい。それが夏になって芝の元気が出てきたことで、「手前から滑らせる」打ち方が奏功している。アプローチがおかしくなる前は「ヘッドをきれいに入れてスピンをかけていた」という。
完全に不安が払拭されたわけではないが、「あまり手首を使わないように少しコックを抑えたら、ピタピタは寄らないですけど、そこそこ寄るようになってくれた。以前に比べれば少し楽しくゴルフができています」。そう話す表情は明るい。

アプローチに苦しむうちに得意のドライバーまで「どこを向いているのかも分からない状態だった」と左右に散るようになったが、「軸をブラさないように気を付けたら少し良くなった」。それが8月のグランド優勝につながっている。
予選会で失敗したため、シニアツアーで今後出場が決まっているのは、次週の「IASSシニア・プロアマ」(9月9~10日)、「日本シニアオープン」(9月18~21日)、「日本プロゴルフシニア」(9月25~28日)、「コマツオープン」(10月2~4日)の4試合のみ。賞金総額の高い試合が続く9月にできるだけ稼いでおきたいところだ。特に日本シニアオープンは直近で出場した2回(22年、23年)は予選落ちが続いており、「今回は通らないといけないと思うし、上位でやりたい」とリベンジへの思いは強い。

その足がかりとして、まずは目の前にある今大会に集中するつもりだ。「日本タイトルですし、一番若いルーキーですから。(一番年下で)場違いなところに来ちゃったかなと思ったんだけど(笑)、頑張りたいと思います」。グランド連勝&日本タイトル獲得で完全復活を目指す。