
59歳、鈴木亨が「マルハンカップ太平洋クラブシニア」の第1ラウンドで4バーディ・ノーボギーの68で回り、4アンダー2位タイと好スタートを切った。ショットが冴えわたった一日で、アプローチはゼロ回とベテランの実力を見せつけた。「コースは改造してから昔よりも難しくなっていますが、今日はショット良かったですね。パッティングが入らないで安全運転、安全運転でと慎重にやらざるを得ないところがありましたが、ピンに3回くらいついてくれたから、このスコアになりました」と一日を振り返った。
レギュラー8勝を誇る鈴木亨は、レギュラー時代に太平洋クラブ御殿場コースで行われている「三井住友VISA太平洋マスターズ」へ長きに渡り参加してきたこともあり、コースを良く知る選手のひとりである。2009年の大会では、当時18歳の石川遼と4日間同組でプレーし6位タイという成績を収めている。特に2011年の大会では最終ラウンドを単独首位で迎えた鈴木が、当時アマチュア資格で出場していた松山英樹と最終日同組で戦い「松山に負けた男なんですよ」と逆転負けを期した思い出もよみがえる。あの時の悔しさは、今となってはひとつの輝かしい、そして自慢できる”戦歴”として大事に胸にしまってある。

来年5月に60歳という節目を迎える鈴木だが「ゴルフをこれから続けるにしろ成績が出ないと面白くないので、自分としてはこれからも楽しい 10 年にしたいので、練習、トレーニング、ケア、とねこうすれば 70歳 まで成し遂げることができるやり方を自分で探っていくしかないのかなと思っています。色んな人と相談したりしてやっている最中です」ととにかくポジティブだ。今年から着用している”トミー・フィルフィガー”のウェアも、”夏”の御殿場に合わせたマリンコーディネートで様になる。
鈴木にとって色々な経験を積んだ相性の良い御殿場コース。あれから14年の月日が経ち、シニアになってから舞い込んできた優勝のチャンスに「正直、自信を取り戻していないので、どうなるかわかりません。だけどこれも自分の人生の一日。やり遂げるしかないですね」と前を向く。