
シニアツアー第6戦「第12回マルハンカップ太平洋クラブシニア」の第1ラウンドが8月23日、静岡県にある太平洋クラブ御殿場コース(7,020ヤード/パー72)で行われた。首位5アンダーに飯島宏明(54)、1打差2位に鈴木亨(59)、サイモン・イエーツ(55)、タマヌーン・スリロット(56)、久保谷健一(53)、そして2大会連続優勝がかかる宮本勝昌(52)の4名が続いている。前年覇者の伊澤利光(57)は2アンダー11位タイと逆転のチャンスを伺う位置についた。高橋勝成(75)が74ストロークで回りエージシュートを達成している。

ホールアウト後「明日は、おめでとうだな!」と仲間から激励の言葉をかけられた飯島宏明(54)。
第1ラウンドでは5バーディ・ノーボギーの67で回り、シニア初優勝へむけて好スタートを切った。シニア入りしてから愛用していた三角構造のトラスパターから一転、最近はスパイダー型へモデルチェンジしたという。スパイダーのパターは違和感もなくしっくりした感触だったが、何故かスタートからずっと打ち切れずに、この日の同組でプレーした最高齢出場の高橋勝成からも「もっとしっかり打てよ」と言われて覚醒。
後半に入ると、髙橋の一言で2.5メートルのバーディーパットを沈めたことを皮切りに波に乗り、5つのバーディー奪取に成功したのだ。ただ本人は「勝負どころで弱いんですよね」としり込みする。シニア入りしてから、これまで何度初優勝のチャンスを逃がしてきただろう。

2021年にシニアデビュー。2022年は最終戦のいわさき白露シニアで渡部光洋とのプレーオフに負けて2位に終わり、この年の賞金ランキングは10位。2023年「マルハンカップ太平洋クラブシニア」でマークセンとのプレーオフにもつれ込むが1ホール目でマークセンに敗れ2位。この年の賞金ランキングは7位。2024年は賞金ランキング30位とし、2025年にはすまいーだシニア、スターツシニアと2戦連続で2位と好位置をキープしており、現在賞金ランキング4位まで上昇中。
こうして何度も好スタートを切りながら、最後の決定打が打てずに、あと一歩というところ。本人にしかわからない苦しさが胸に詰まっている。

今年は調子を上げて挑んでいるマルハンカップ太平洋。2年前のプレーオフ惜敗のリベンジを果たす好機がやってきた。「コースとの相性が良い感じがしています。ショットはすごく良い感じですし、危ないところも無かったです。今年はそういう(優勝の)チャンスが来たらモノにしたいです」と勝ち切る強さをにじませている。
「こんなに状態の良いグリーンに仕上げていただきましたし、涼しい場所で最高の試合環境ですよね」と勝つための条件も揃っている様子だ。
飯島が優勝に手が届かなかったのには「気負いすぎて全部負けている」と理由も明白。だからこそ「淡々とプレーをするだけです。ボギー打たないように。緊張するとは思いますけど 1 打 1 打集中してやりたいですね」と怯むことはない。「家族も応援に来ているので、カッコイイところ見せたいです」と今年の夏、最高の思い出を形にできたらいい。