
シニアツアー第6戦「第12回マルハンカップ太平洋クラブシニア」が8月23日、24日の2日間、静岡県にある太平洋クラブ御殿場コース(7,020ヤード/パー72)で開催される。
「ハイクオリティなコースで、最も華やかな大会」をというのがコンセプト。夏の盛り時期ではあるものの、富士山を眺められる景色と標高500メートルを超えるコースの標高は、湿度もそれほど高くなく、夏開催にマッチしたトーナメントコンディションを有している。
「涼しい風も吹くしね、こんなに良い雰囲気のコースで試合させてもらえるだなんて最高です」とシニアのベテランプロも感激する。大会前日の22日は“プロアマフェスティバル”として、シニアプロ、著名人、そして太平洋ゲスト3名合わせて5名1組となった計30組がプレーをするスペシャルラウンドの機会が用意された。ギャラリー入場は無料で、コース内のあちらこちらでお目当ての選手のプレーにエールを送るゴルフファンの姿が見られる。

レギュラー7勝、シニア3勝をあげているベテラン水巻善典は著名人の山内鈴蘭との同組。ラウンドの合間に「午前のスタートでさ、アマチュアとして紹介されちゃったんだよね」と水巻。「じゃあ、私がこの組のアナウンスを務めまーす。ティーオフは水巻プロ!」と山内が機転をきかせて場を和ませる。
それに同組のアマチュアもうまく引き込まれ「我々のチームは残り6ホールで7つ伸ばしますよ。もちろんイーグルの可能性がありますからね」と、同組のアマチュアもたじろぐことはない。プロアマの雰囲気づくりはシニアプロがリードする中で、プロアマフェスティバルを盛り上げているのである。

大会は12回目を数えるが、御殿場コースでの開催は5回目。2020年大会の御殿場で優勝を飾った篠崎紀夫は「最終18番ホールを見ると思い出しますよね。同級生の塚田とプレーオフをやることになって、挨拶を交わしたのに素っ気なかったことをね(笑)」と微笑んだ。
初優勝から4年。今年10月で56歳を迎えることもあり「なんとか同世代でもシニアを盛り上げていきたいから、ここで話題作りができるといいけど。ショットはボチボチ。試合で戦うには充分の仕上がり。あとは気がゆるまないように信じてやるだけです」と明日からの戦いを見据えている。

2021年大会チャンピオンは森田徹。森田にとって憧れの舞台だという太平洋クラブ御殿場コースで掴んだ“優勝”というビックタイトルは、大先輩の高橋勝成がくれた「もっと体を大事に使いなさい」とアドバイスがあったからだと振り返る。思い入れも強い大会への出場に、研鑽を重ねている日々を過ごしているという。
プロアマフェスティバルでは元プロサッカー選手の太田宏介と同組で「36歳で引退してからゴルフにはまっているみたいで、ゴルフのセンスがすごく光っていましたよ」とプロアマを楽しんだ様子。「太田さんと、太平洋のゲストに恵まれて、イーグルは出るし、チップインも決まりましたしね。明日出せればいいのにと思いながら、みんなで楽しめた感があります」と充実した表情をみせていた。
「ここにくると思い出します。もう一回、“アレ”をやりたいです」と2023年流行語大賞のフレーズを引用する。阪神ファンの森田は「アレ」を引き寄せるべく、優勝副賞でいただいた腕時計を身に着け、今年の戦いに挑む。
