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シニアツアー

〔倉本招待イーグルゴルフ/FR〕「父の地元で優勝をプレゼントできた」キングオブシニア宮本勝昌も最後まで苦しんだ末の大会連覇

2025年07月26日
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シニア第5戦「第2回 倉本昌弘INVITATIONAL THE EAGLE GOLFシニアオープンチャリティートーナメント」の最終ラウンドが7月26日、札幌ベイゴルフ倶楽部(6,877ヤード/ パー72)で行われ、前年覇者の宮本勝昌(52)が6バーディ2ボギーの68で回り、通算12アンダーまでスコアを伸ばし、完全優勝で大会連覇を果たした。優勝賞金540万円を獲得した。すまいーだカップシニアに続き今季2勝目、シニア通算8勝目をあげ、宮本は賞金ランキング首位を快走している。

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「孤独を感じる時間がありましたね。初日のラウンドで幸せな時間をかみしめていた分、今日は本当にゴルフが上手くいかなかったこともあって。それは個人競技の難しさなのかもしれませんけど、孤独だなって」。

2年連続でキングオブシニアの称号を与えられた宮本勝昌でさえも、最後まで苦しんだ一日だった。初日は1イーグル・6バーディと盤石の試合運びを見せていたが、最終日最終組のラウンドは思うようなゲームをさせてくれなかった。前半はショットが不安定でグリーンを捉えられずに、4番でボギーが先行。チャンスにつけた2、3メートルのパッティングにも嫌われ続けたが、ようやく8番でバーディを沈め、静かに立て直した。

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宮本は後半に入る直前で全体の状況を把握し、集中力を高めていった。10、11番と連続バーディで一度は抜けたが、12番をボギーにしてしまい、この時点で岩本高志、海老根文博、太田祐一、そして宮本の4名が首位に並ぶ大混戦。しかし宮本は14、16番でバーディ奪取とギアを上げ、とどめは最終18番でガードバンカーからの1メートル半をきっちり沈め、通算12アンダーで大混戦を制した。“つえーな、宮本”とクラブハウスで待機しているシニアの選手たちは口々にこぼしたのだった。

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常に"優勝"を目指して試合に挑むーーー宮本は言霊を口にする。プロ全員が同じ思いを持って参加しているに違いない。宮本は「当然いつも良いプレーが出来るわけじゃないです。どちらかというと苦しい中でスコアをメイクするのが、我々の仕事なんですよね。上手くいかない中で、どうスコアメイクをやり切るかということが大事なこと。シニアになってからは、より一層、どうやりきるかにフォーカスを当てるようになっています」と試合功者だからこそ、簡単には叶えられない優勝の難しさも感じている。

「でも、自然と最後の最後ってやっぱりなんかあるんです。集中力が増したり、気持ちが入ったり。そういうのはプロゴルファーだからこそ生まれたりするので、最後まで信じてやり切れる」。宮本はレギュラー12勝、そのうち5勝が公式戦だという大舞台を経験しているからこそ、最後まで意を強くしたプレーで勝利を手繰り寄せることができたのだった。

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大会終了後、小雨が降りだしたため、クラブハウスで行われた表彰式。宮本は「初日は兄とシニアツアーで同組でプレーが出来ましたし、熱海に住む父を連れてこられてプレーを楽しんでもらって・・・父の地元で優勝をプレゼントできました。こんな素敵な機会をいただき幸せです。大会関係者には感謝しています」と何度もお礼を口にした。

父・勝雄さんは「故郷の札幌まで息子に招待してもらって、こんな幸せなことはないですよ。冥土の土産ができました。ありがとうございます」としみじみ語り、兄の勝幸さんは「目の前で優勝という機会に巡り合うことはなかったですし、弟の優勝は本当に嬉しい限りです。嬉しいの一言につきます」と笑顔でうなずいた。

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宮本の目指すところは、米国シニア”チャンピオンズ”への参戦。今年も秋口までに日本シニアツアーの賞金ランキング上位であれば、チャンピオンズツアー最終予選会出場という道も開けてくる。「1試合も無駄にできないですし、1日、1 ラウンド、 1 打も無駄には出来ない。そこは自分の目標を決めているので、そこに向かってやり続けるだけです」と口元を引き締める。宮本は今年でシニア4シーズン目になるが、ぶれずに目標を定める姿勢は、ますますの活躍を期待させる。そんな宮本の強さを知らしめた優勝でもあった。

憧れでもある倉本昌弘先輩も挑戦した“チャンピオンズ”の舞台。世界シニアトーナメントの参戦を追い求め、宮本の戦いは続いてゆく。

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