
首位宮本と太田の2打差を追いかけるのが、中堅シニアベテラン勢だ。手嶋多一(56)はレギュラー8勝、シニア2勝をマーク。今年もこれまでレギュラー3戦に出場し、まだまだレギュラーツアーへの挑戦意欲も高い選手のひとりである。
昨年の倉本招待イーグルカップに出場していないため手嶋にとっては初出場の大会だが、2001年から2003年の間に札幌ベイではレギュラーツアー「サン・クロレラ クラシック」が開催されていて、2003年大会で手嶋はブレンダン・ジョーンズ、丸山大輔と3人でプレーオフをしたところまでいったという経験があり「コースは好きかもしれないですね」と当時を振り返った。22年前の熱い戦いはブレンダンに軍配が上がったが、2週連続優勝が懸かったプレーオフ敗退だった。

苦い経験もあるが、初出場の大会は相性のよい倉本昌弘とのラウンドだったこともあり「倉本さんと回るといつも良いスコアなんですよ。今日もパッティングが良くてボギーなく終えられましたし、ショットもスターツの第2ラウンドから掴んだものがあって、少しずつ良い感じです」と、上々の出来に白い歯をこぼした。「僕はドローヒッターなので、左ドックの多いコースは相性がいい」と好スコアの理由も明快だ。

最終日最終組は、キングオブシニア宮本勝昌と相対して挑戦することになるが「海外シニアメジャーで戦ってきている彼のゴルフも見てみたいですね。僕自身は優勝の自信はないですけど、明日も5アンダーくらいでまわりたい」とニヤリ。調子は悪くない。

兼本貴司(54)がこの日6つのバーディ奪い、手嶋と並んで優勝争いに名前を連ねている。「すべて噛み合ったような気がしています。パターも1番で奥から6メートル、12番では13メートルが入って。ミドルパットも入ってくれました」と胸をなでおろした。
ロングヒッター兼本の最大の武器は2番アイアンで300ヤードを打てるシニアは他にいない中「上手く打てている」と手ごたえのあったラウンドだった。それでも「1、2ホール曲がるところもありますが、結構ピンを狙えたかなと思います」と持ち前のビックドライブを生かすことができた。

ただ、兼本の敵は「暑さ」になっている。今年の北海道は例年にない夏の暑さに見舞われていて「体にダメージがきていますし、足も攣りそう(笑)。気が付かないうちに頭もちょっと暑さで上手く機能しないかなぁ。寒さには弱くて、暑さには強いと思っていたのに」と悔しがる。それでもノーボギーゲームを達成し、最終日最終組のメンバー入りをすることができた。
首位とは2打差。兼本は「飛ぶところには飛んでくれているので、この調子で行きたい。トップの宮本君、王者に挑みますよ」と目を光らせる。最終組が優勝争いを面白くしてくれそうだ。
