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〔関東ゴールドシニア/FR〕連日エージシュートを達成し通算6アンダーで尾崎直道が優勝!11年ぶりの優勝に「刺激をもらえた」

2025年06月26日
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「関東プロゴルフゴールドシニア選手権大会」の最終ラウンド。3アンダー首位スタートのゴールドルーキー尾崎直道(69)が4バーディ・1ボギーの69で回り通算6アンダーまでスコアを伸ばして、関東ゴールドシニアで完全優勝を飾った。尾崎には優勝杯と賞金20万円が贈られた。2位には4打差の2アンダーに渡辺司(68)、さらに1打差1アンダーに前年覇者の大野雅幸(74)が入った。9月に大阪府泉南市にある関空クラシックゴルフ俱楽部で行われる日本プロゴルフゴールドシニア選手権大会には、シード選手を除く上位10名に出場資格が与えられる。

11年前の2014年、サミットゴルフクラブで開催された「日本プロゴルフシニア選手権大会」以来の勝利に「久々にこうやって多少(優勝を)意識したり優勝争いを経験できて、刺激をもらえました。改めてこの優勝を素直に喜びたいです。ありがとうございます」と充実した表情をみせた。

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尾崎は初日のラウンドを69として終えた時点で「ゴルフの内容からして信じられないスコアなんだよ」と納得のいかない様子だった。相性の良いサミットゴルフクラブでのラウンドは2014年プロシニア優勝はもちろんのこと、良いイメージばかりが先行する。

今でもコースに立てば当時の良い感覚やイメージがよみがえるが、体の不調から思うような練習ができない状況で参戦していることも、大きなギャップとして現実にある。

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それでも試合で”69”を出せたことは、初のエージシュートという今まで味わったことない喜びになり自信になった。それと同時にゴールドルーキー、そしてトーナメントリーダーとして注目される最終日になることも感じ取っていた。

「昨日の夜はなんだか寝つき悪くてね。昔を思い出した感じ。うん。昔はリーダーという状況で何回も寝られない夜を経験したからね、ああ、こういう感じだったなぁって夜を過ごしました」とレギュラー32勝のレジェンドは当時の緊張感がよみがえってきた。

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そして迎えた朝。「意気込んだというよりもね、精一杯やろうという気持ちでした。あとは神のみぞ知るところじゃない」と百戦錬磨のプレーヤーでも、自分を鼓舞しながらコースに向き合い、気持ちをリセットした。

すると初日に手こずったアイアンショットの距離感がアジャストしてきたのだ。最終ラウンドで獲った4つのバーディは、尾崎が満足のいくアイアンショットで仕留めたものだった。終わってみれば連日69をマークして、シニアツアーでは出せなかったエージシュート記録で、通算6アンダーは2位に4打差をつけての圧勝だった。

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加えて尾崎は今回、自身が味わった「エージシュート」に対して新しい発見があったという。「先輩方が次々に出すエージシュートをみて『おめでとうございます』って心から言いたいって思いましたよ。それは先輩方が築いてきたゴルフ人生に対しての尊敬だよね。みなさん本当にゴルフを頑張っている姿を見られて、本当に嬉しいです。自分よりもはるかに良いプレーの内容じゃないかと思うんだよね」。世代が近いからこそ、共通の思い出もあり、そして懐かしい思いでプレーをしている先輩たちの気持ちにも共感していた。

「俺に関しては、もうね、勝ち逃げしてゴルフ引退したいよ(笑)。そんな気分。ゴールドという年齢になってね、本音ではありますけど(笑)。先輩たちの顔を見たいし、見れて良かったなって思っています」。

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引退したいという冗談に捉えられる言葉も、尾崎の口からポロリとでる。それは自分の体調に関して一抹の不安からくるものでもある。

「俺にはね、ゴルフ健康はもうないんですよ。背中痛くてね。だからこれまで6年間かな、夕方1時間くらいね、ウォーキングすることだけは欠かしていない。それがゴルフを続ける上でのモチベーションになってるのかなあ」と自分のペースでできることがひとつ生活の軸にある。

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「もうね、老後を静かに過ごしたい。それだけ。昔出来なかったことを、今、埋め合わせしている感じもあるんだろうね。寝られない夜、ハードに試合に挑んだ日々とか犠牲にしてきた。これまでプロゴルファーとして全力で過ごしてきたなって思うよ」と振り返る。

「家がオアシスなんですよ。猫と遊んで、ウォーキングして、帰ってきてからビール飲んでね。だから、こうして過ごしている日々が良い人生なんじゃないかな」。

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プロゴルファー尾崎が全力で駆け抜けた時期を経て、ようやく静かな日常を味わう日々がある。今回の”優勝争い”そして“エージシュート達成”という大きな刺激は楽しかったに違いない。刺激を求めるレジェンド尾崎の姿を、ゴルフファンはいつまでも期待し続ける。

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