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競技情報 グランドゴールド

〔関東ゴールドシニア/事前〕健康ばかりじゃない 病気や怪我を乗り越えてゴルフを楽しみたい ~佐野修一、並木俊明、曲山正廣~

2025年06月24日
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関東で活動する68歳以上のプロゴルファーが出場できる「関東プロゴルフゴールドシニア選手権大会」が6月25日、26日の2日間、茨城県にあるサミットゴルフクラブで開催する。出場選手には前年覇者の大野雅幸(74)をはじめ、尾崎健夫(71)、尾崎直道(69)、飯合肇(71)といったレギュラー・シニアで活躍した選手や、最年長は84歳の永井滉之、菊池福二で80歳以上が9名参戦。またゴールド入りを果たした渡辺司、飯沼カオル、太田慶治、菱沼孝至の4名がゴールドルーキーとして加わり、総勢86名のベテランプロが凌ぎを削る。

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練習ラウンドに現れたのは2018年チャンピオンの佐野修一(77)。2022年12月に前立腺ガン発見に至ったが、術後は快方に向かっている。「また仲間とゴルフできて幸せだよ。賞金とか、そういうんじゃないんだよ。一年に一度の楽しみがあるから頑張れる」と目を輝かせる。

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「病気になったから、人生で新しい発見もある。好きなことバンバンやろうよ(笑)。ストレスが一番の病気だから。まあ、好きなものって言っても、そんなに食べれないし飲めない。自然と年齢相応になってくるから、その中で好きなことをやろうって思うんだよ。ゴルフも目一杯やりたい」。健康でいるためには、ストレスをためないのが佐野流である。

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「今日は足が痛いから、パッティングだけやりにきた」とパター1本携えてコースに来たのが並木俊明(76)だ。「ゴルフは道具を使うスポーツ。どんどん探求心も高くなる。だから練習場に行っても日替わりでテーマがあるのでやめられない。それがずっと繰り返されてね、今に至る感じですよ」と日々の練習を楽しみ、そして大事にする。

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最近は体力に変化が出てきたと言い「73、74歳から筋肉の衰えを感じるようになって。プロでいるためには故障しない“からだづくり”が絶対に必要で、準備運動とかストレッチを取りいれて怪我しないようにね。こうして前傾で体をね使うんです」と実演付で重要性を説明してくれる(写真)。「この年齢までゴルフを続けられるようにするには、普段からゴルフの筋肉を使うように心がけていきたいですね」。一年に一度、大会出場をすることで自分のレベルを確認するのも楽しみのひとつである。

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福島県いわき市にある荒川ゴルフクラブでレッスン活動をする曲山正廣(70)はファッションを楽しんで大会に出場している。ハンチング帽とニッカボッカスタイルがトレードマークの曲山は、大会前日の練習ラウンドは暑さもあり“ハーフパンツ”を着用。「うん、これねGU(ジーユー)で買ったの。コスパいいよね」と嬉しそうに自慢する。ところが「実はね、白内障の手術をしたら三宅病(オカルト黄斑ジストロフィー)を発症して、今片方の目が見えないんですよ」と告白する。70歳で侵された視力低下の難病。それでも曲山は試合に参加することを選択している。「やれるだけやってみますよ。人生なにがあるかわからない」と言い、笑顔でドライバーを振り抜いた。

ゴールドシニア世代が語るゴルフの話には人生の魅力が詰まっている。サミットゴルフクラブに集結した86名が、それぞれの思いを胸に2日間の戦いに挑む。


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