
シニアツアー第4戦「スターツシニア」の初日が終了。田中秀道(54)が7バーディ・1ボギーの「66」をマークし、2010年のレギュラーツアー「カシオワールドオープン」以来、15年ぶりの首位発進(タイも含む)を決めた。
1打差の5アンダー・2位は谷口徹((57)、4アンダー・3位タイグループには堺谷和将(54)、I・J・ジャン(52・韓国)、鹿志村光一(55)、寺西明(59)、プラヤド・マークセン(59・タイ)、兼本貴司(54)、タマヌーン・スリロット(55・タイ)、今野康晴(52)、久保谷健一(53)の9人がひしめく。
昨年覇者の宮本勝昌(52)は、最終18番パー5で4メートルのバーディパットを決めれば、田中に並ぶ6アンダーだったが、まさかの4パットでダブルボギー。3アンダー・12位タイにつけている。昨年は3日間54ホールボギーフリーで優勝し、今大会でボギー以下を打ったのは23年大会最終日の10番ホール以来。連続ボギーなしは80ホール目で途絶えた。
長年、腰に不安に抱える久保谷は、腰をほとんど回さないスイングで、1番パー4から連続バーディ。その後も4バーディを重ねて「68」でまとめた。「腰は痛いのでは怖い。ショットはエーイッて振っちゃえば何とかなるけど、ディアップしたり、球を拾うときにストーンと抜けちゃいそうで、ずっと力を入れていないと地面に届かない」。
ボールを拾ったり置いたりするときには、スタンスを広げて、できるだけ腰を曲げないように努める。日常生活では「お尻があんまり拭けない」のも悩みのひとつだ。

好スタートの要因に関しては、「あんまり自分に期待してないからいいんです。パターが入ればそういう日もある」と久保谷節が飛び出す。腰をあまり回さないスイングは、方向性がバラつきそうなイメージもあるが、「その方が曲がらない」と久保谷はいう。デメリットは「距離感とか“感”が出ないだけ」。方向性が良くても、縦の距離が合わないことがある。
上位で迎える明日以降に関しては「変わったところで変わらないし。いいんです、私は」と、最後まで威勢のいい言葉は聞けなかった。自分に今できるゴルフを貫いて、どこまで伸ばせるかに注目したい。
以下、上位勢のコメント

■谷口徹(21年大会覇者) 5アンダー・2位
「スコアがいいだけで、ショットがヘボすぎて病んでいます。アイアンが特にひどいので遠くに乗っても2パットでいけるようになってきました(笑)。思った通りに打てないので頭が痛いです。いまから反省して頭の中をクリーンにします。明日はもう少しまともに打てるようにしたいですね」

■堺谷和将 4アンダー・3位タイ
「ドライバーが朝の練習場から調子が悪いんです。先っぽに当たると左、根っこ気味だと右に、どっちも出る。仕方ないから距離は度外視して、ロフトを殺して低いライナーを打っていました。曲がる前に落っことせばいいやという感じです。(このあと修正?)今日は練習場から帰れないかもしれない(笑)。アイアンとパターが噛み合っていたので、スコアが出る感じはしました」

■I・J・ジャン 4アンダー・3位タイ
「ショットも良かったし、パターがけっこう入りました。一番長いのは8番ホールのカラーから12メートルくらいのバーディパットですね。10番で3パットしたんですけど、ガマンガマンして、(最終)18番でバーディを取れてうれしいです。2年前のノジマで初優勝したんですけど、そろそろ優勝(2勝目)したい。あと2日間頑張ります」

■鹿志村光一 4アンダー・3位タイ
「きょうは長いのが2発入りました。5番パー3では10メートル以上の上って下るフックラインで、『強い』と思ったのがカチャーンと(笑)。10番パー4ではグリーンの左端から8メートルのスライスラインが入りました。グリーン上でリズムを優先して即座に打っていたのを、慎重にしたというか…時間をかけて出球に集中するようにしたのが良かったです」
