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シニアツアー

【スターツシニア/前日】予選会を突破したシニアルーキー〔杉山、井上、太田、谷〕 3試合を終えそれぞれの想い

2025年06月12日
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シニアツアーの出場権にはいくつかのカテゴリがある。『昨シーズンの賞金ランキング30位以内』、『レギュラーツアーで25勝を達成した永久シード選手』、『レギュラーツアー2勝以上している者、又は公式戦を1勝している(1年間シード)』……などなど。

レギュラーツアー時代に実績を残している選手は、50歳になれば自動的に出場権が得られる。そうでない選手は1次予選会、2次予選会のふるいをくぐり抜け、3月に行われる最終予選会で上位に入る必要がある。今回は狭き門を突破して、ルーキーとしてシニアツアーに参戦している選手たちに、3試合を終えての声を聞いた。

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■杉山佐智雄(51歳) 最終予選会3位 暫定賞金ランキング18位

コンスタントに試合に出られる最終予選会での順位の目安は20位。杉山佐智雄はルーキー最上位の3位に入り、ツアーを転戦している。シニアデビュー戦は2023年だが、「日本プロシニア」の1試合のみ。昨年は最終予選会38位の成績で3試合の出場にとどまった。フル参戦するのは今年が初めて。今季第2戦の「ノジマチャンピオンカップ箱根 シニアプロゴルフトーナメント」の9位タイが今季のベストフィニッシュとなる。

「昨年は3試合しかか出られなかったんですけど、日本シニアオープンで10位に入って、何となく『頑張ったらいける』『予選会を頑張ろう』という気持ちになりました。目標は“優勝”とは言わないですけど、優勝争いの数を1つでも増やすことです。ヒリヒリする位置でプレーしてみたい。

ノジマでは谷口徹さんと一緒に回らせてもらって、オンとオフが勉強になりました。自分のショットを打つ番が来たらキューッと集中して、それ以外のときはワーッとしゃべっている。僕はずっと緊張しっぱなしになってしまう。集中力はそんなに続くものではないとから、谷口さんのメリハリのあるゴルフを目指したいと思いました」

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■井上清孝(50歳) 最終予選会7位 暫定賞金ランキング39位

井上清孝は所属先の岐阜関カントリー倶楽部で、44歳からの5年間はキャディマスターを務め、練習もトレーニングも完全にやめて、一時は競技を離れた。48歳のときにシニアツアーを目指して練習を再開。最終予選会を7位で突破し、開幕戦の「ユニテックスシニアオープン」でも7位タイと上々のスタートを切った。しかし続く第2戦では50位、第3戦では59位に沈んだ。

「開幕戦までは自分でも想像していない好成績だったんですけど、2戦目、3戦目ではボロが出始めた。それまでは謙虚に謙虚にゴルフをしていたのが、ピンを狙ったりしていた。ミスがミスを呼んで拾えず入らずっていう感じ。

ここまで上手な方と一緒に回ったんですけど、刺激になっているのは同級生の岩本(高志)ちゃん※。負けないようにと思うんですけど、どんどん離されていく一方です。まだまだ自分の思ったような球は打てていないので、やっぱり元に戻して今週は謙虚にいきます。シニアは予選落ちがないのでコツコツ稼いでおかないと。大事に大事にいきます」


※岩本高志は3試合連続でトップ10入りしている

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■太田祐一(51歳) 最終予選会19位 暫定賞金ランキング30位

太田祐一は昨年の最終予選会は47位ながら、「ファンケルクラシック」ではチューズデートーナメントと呼ばれる大会同週の火曜日に行われる予選会を勝ち上がり、本戦で2位タイに入ったことで、わずか2試合で賞金ランキング34位に食い込んだ。満を持して挑んだ今年の最終予選会では背中を痛めながらも、19位で今季の出場権を掴んだ。完治しないまま3試合を戦い、現在賞金ランキングは30位につけている。

「(ファンケル2位は)まぐれじゃないですか(笑)。あれがシニア2戦目でしたけど、うまくできたと思います。手応えを感じた試合でした。今年はシニアオープンを抜かした15試合に出られる順位なので、これから体調が良くなってくれば、おのずと結果も良くなってくると思います。

レギュラーツアーや下部のACNツアーに比べると、シニアツアーはギャラリーとの距離が近くて楽しさがありますね。ギャラリーが話しかけやすいし、シニアの選手も答えてくれる。だからギャラリーが観ていて面白いと感じるのでしょう。最低限の目標は賞金ランキング30位以内のシードを取ること。それから優勝です」

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■谷昭範(50歳) 最終予選会20位 暫定賞金ランキング8位

2010年と2011年にレギュラーツアーのシードを獲得している谷昭範は、他のルーキーたちとは違う思いを持ってシニアツアーを戦っている。5年前に直腸ガンが見つかり、昨年7月に3度目の手術を行った。お腹のところに人工肛門をつけていたが、それではゴルフのスイングはできない。シニアツアーでプレーするために、現在は人工肛門を外した。

「(便を)貯めるところがないのでストレートなんです。スプーン一杯分でも貯まったら、普通の人の我慢できないくらいの状態になる。一日に20、30回トイレに行かないといけない。だから試合になったら食べないとか、食事をコントロールしています。練習ラウンドは基本的にトイレの確認です。

術後は筋力もガタ落ちで9ホール回るのが精一杯。18ホール回って筋肉痛にならない体にようやくなったくらい。試合に出られること、あるいは勝ちたいと思うことが、気力となって頑張って来れたと思っています」

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