
雨が降ったり止んだりと不安定な天候が続き、肌寒さを感じた大会2日目。その中、2アンダー・14位タイでスタートした昨季の“賞金王”である宮本勝昌が、ボギーなしの10バーディという圧巻のゴルフを展開し「62」のビッグスコアをマーク。先週の「全米プロシニア」から帰国後初の国内ツアーで多少の疲れがあるなか、今大会の最少スコア記録を2打更新となった。
初日終了後、宮本は「ショットもパットも思い通りにいかない」と語り、懸命に調整を重ねていた。不安を抱えながらも「上との差が開いていたので、1打でも縮めないといけない。たくさんバーディを取らないと」と覚悟を持って挑み、見事に結果を残した。「100点満点。バーディもたくさん取れたし、いいプレーができました」と、安堵の表情を浮かべた。

“おはようバーディ”でスタートを切り、3番でもスコアを伸ばすと、6番からはバーディラッシュに突入。8番では2.5メートル、9番では50センチに寄せるなど、前日の不安を感じさせないキレのあるショットが次々と放たれた。しかし宮本の中では内容に「手応えはない」と語り、悩みが完全に解消されたわけではないという。
ドローヒッターである宮本は、初日に逆球や右へのミスが出ていた。「毎日探しながらとういかね、もちろん練習でも、練習ラウンドでも、試合でも探しながやっているのですが、なかなか上手くハマるところがないです」と話す。「一つずつヒントをつかんで、状態をよくしていくという作業はこれからもやり続けることは一緒」と冷静に現状を見つめていた。

「何でこのスコアが出たんだろうっていうぐらいの内容。フィーリングがよくなったとはいえない」とも語るように、改善の手応えはまだ薄い。それでも「ラッキーやたまたま上手くいったショットがありましたし、圧倒的にパッティングが良かった。ミドルパットがたくさん決まって、10個もバーディが取れたと思う」とこの日の要因を分析する。宮本が“良いパッティング”と定義するのは、「目からの情報」「脳からの伝達」「手の動き」の3要素。今回は「その3つがうまくハマった」と語る一方で、「とても楽観視できる状態ではない」と、油断はしていない。
そんなゴルフの調子のなかでの結果は自信にはつながった。「いいスコアを出すことで、状態がよくなってくることもある。プロゴルファーである以上、スコアがすべて。どんなにフィーリングがよくても、スコアが出なければ意味がない。今日の10バーディは自信にもなったし、とても満足しています」と前を向いた。
最終日は、2位と2打差の単独首位でスタート。最終組では、シニアツアー通算24勝を誇るP・マークセン、そして日大ゴルフ部時代の先輩・堺谷和将との優勝争いとなる。「貯金があるわけではないので、また明日はゼロから。どれだけバーディを重ね、ボギーを抑えられるか。それがやるべきことだと思うので、変わらずやっていきます」と、最終日への意気込みを示した。
