
先週開催された「全米プロシニア選手権」(5月22〜25日、米メリーランド州・コングレッショナルCC)で、片山晋呉が海外シニアメジャーに初出場。予選を突破し、トータル8オーバー・51位タイで4日間を戦い抜いた。27日(火)に帰国後、翌日には「すまいーだカップ シニアゴルフトーナメント」の会場に姿を見せ、パッティング練習を行った。29日(水)からは、ディフェンディングチャンピオンとして初日に臨む。
「人生でプレーした中で一番難しいコースだった」。
片山は、初めての海外シニアメジャーで感じた衝撃を明かした。「ティショットからカップに入れるまで、すべてが難しい。ゴルフ場のレベルが想像の三段階上をいっていた。素晴らしい」と、とにかくコースに感銘を受けていた。
片山はこれまで世界中のトーナメントを戦い「世界中を回っている」。2001年「全米プロ」4位タイ、2009年「マスターズ」でも優勝に2打差の4位という実績を持つ。そんな片山が「これ以上のプロが求める難しさはないのでは」と語るほど、今回のコースセッティングは、まさに“世界最高峰”の舞台だった。

そんなコースで「アンダーパーで回る選手はすごいなと思った」と上位選手から刺激を受けていた。「僕も1回しか出なかったしね。大たたきもしなかったけど、微妙に打ってしまう。頑張っても1アンダーぐらいだったんだろうな」と悔しい表情を見せる。
6月26日から始まる次戦「全米シニアオープン」(コロラド州・ブロードムーアGC)に向け、片山の思考はすでに走り始めている。「世界の選手たちと戦うために、どんな作戦を詰めるかを考えるのが好き。この1カ月で何が必要かわかってきた。今週は現状のままでいくしかないけど、来週からは本格的に“詰める作戦”に入る」と準備に取り掛かっていく。
「大枠では大丈夫とわかったけど、細かい部分をどう詰めていくか。あと1カ月、どこで、どんな環境で練習するのが最善か…場所もよく考えないと」。この全米プロシニアで得たものは、単なる経験にとどまらない。世界と戦うための“気づき”と“課題”を明確にし、次へのステップへ。片山晋呉の挑戦は、まだまだ続く。

昨季の国内シニアツアー賞金王として「全米プロシニア」(5月22〜25日)に3年連続で出場した宮本勝昌は、2日間でトータル8オーバーに終わり、惜しくも決勝ラウンド進出はならなかった。「ゴルフが上手くいかないコンディションの中では、このコースはごまかしがきかない」と振り返り、「調子が良ければ本当に楽しいと感じられるコースだったと思う」と悔しさをにじませた。「もう少し状態を整えて臨みたかった」と、自身の現在地に歯がゆさを感じていたようだ。

6月26〜29日にコロラド州・ブロードムーアGCで開催される「全米シニアオープン」。その舞台に向けて、「日々、自分探しのように試行錯誤を続けている。いつ調子が上向いてもいいように、常に優勝争いができる準備をしておかなければならない」と語る。「やることはたくさんあるけど、結局は“技術”。練習ラウンドの中で答えを探すしかない」と、前を向いて次の挑戦に備え、今週に挑む。

2度目の「全米プロシニア」出場となった兼本貴司は、トータル13オーバーで予選落ち。渡米前から「調子はあまり良くない」と語っていたとおり、本調子とは程遠い状態でのプレーとなった。「芯に当たる確率がかなり低くて、タテ距離も横も合わない。マネジメントもうまくいかない」と、思うようなショットが打てなかったことを悔やんだ。それでも「芯に当たればもっと優しかった」と、コースそのものの難しさもあるが、自分自身の状態がスコアに直結したことを実感していた。

一方で、マネジメント面では自信を得る場面もあった。決勝ラウンドを中継で見ながら「俺と同じ攻め方をしている選手が多かった」と感じたという。ただ、「そこに打てないのが嫌だよね…」と、狙いどころに運べないショットの精度に悔しさもにじませた。今は練習場でピッチングウェッジを使い、小さな排水溝を狙って“点”を意識したショット練習を重ねる日々。「こうであるだろうな」と仮説を立てては試し、試行錯誤を繰り返しながら、自身が納得できる状態で次のメジャーに臨むことを目指している。きょうは「時差ぼけ」を少しでも改善するために、早めに練習を切り上げて睡眠を優先とさせた。
海外シニアメジャーから帰国したばかりの3人。新しい経験値を糧に、すまい―だカップシニアでもベストを尽くす戦いが見られるだろう。
