
同世代の清水大成とのプレーオフ決戦は4ホールで勝者が決まった。
もちろんプレーオフに持ち込まずに、優勝を決められれば良かった。
生源寺龍憲は、初の最終日最終組でのプレーにも堂々と向き合い、前半で積極的なプレーを心がけ、首位を譲らずにいた。
後半は罠が仕掛けられている難度の高いホールが続くこともあり、慎重にゲームの流れを見定める必要がある。生源寺は11番ホールのティーショットを左ラフへ入れ、セカンドショットが風の読みとショットが合わずにグリーン奥のラフへ入れてしまう。アプローチでグリーンに戻せず、寄らず入らずでまさかのダブルボギー。「ちょっとしたミスで流れが変わってしまった」と肩を落とし、首位を清水に譲ってしまった。

次の12番でバーディを獲れたものの、清水も11,12番でスコアを伸ばしたので、差が縮まらない。清水が上がりの16番ダブルボギー、17番ボギーとしたことで再び1打逆転。ところが最終ホール、清水がバーディを獲ったため、生源寺と14アンダーで並んだ。生源寺にとって18番ホールはアゲンストの風で3オン、寄せてパーが精いっぱい。なんとかパーセーブして、プレーオフに勝負を持ち込んだ。

生源寺の持ち味は攻めのゴルフなので「相手に隙をみせないように」と逃げずに積極的に仕掛け続けた。それはプレーオフというよりも、マッチプレーさながらのシーンに映った。その間も、谷汲の風は強弱を繰り返して、プレーオフ対決を難しくする。
プレーオフ4ホール目。生源寺のボールは、ラフからラフへ。サードショットはグリーンを捉えられず、4打目は果敢に攻めてカップを通り過ぎた。5メートルのパーパットは無情にもカップを外れ、この戦いは生源寺が敗戦した。

「プレーオフまで行けたのはラッキーだったというのもありますが、苦しい1日でした」と肩を落とした。「やっぱり11番のダブルボギーですかね、流れが変わったのは。やっぱりちょっとしたミスショットで流れが変わってしまうので。そこもいい勉強になったし」と言葉少なだが、充実した表情は見せていた。

生源寺にはプレーオフの4ホールを含め、76ホールを共に戦った同級生で帯同キャディの原田凌プロが傍らにいた。戦いを終えて「とりあえず、余計なことだけ言わないように(笑)。11番のような場面は、上のレベルに行くためには必要なことで、あの時の一打で変わってくるじゃないですか。でもこれで絶対に強くなるはずだから」と力を込めた。「うん、めっちゃ刺激もらいました。こんないいところに関われて、自分もやることやらないと」とつかの間、戦いの余韻に浸った。

生源寺は「しっかり一打一打、状況だったり番手選択だったりを話合いながら、4日間一緒にできたので良かったです。来週のミズノオープンも原田くんにキャディを頼んでいますし、引き続き頑張ります」と、この敗退の悔しさを胸にリベンジすると誓った。プレーオフを戦い抜いた名タッグの次戦、結果を残せるかに期待したい。
