
今年のプロゴルファー日本一を決定する日本プロゴルフ選手権大会の第2ラウンド。午前組の4アンダー9位からスタートしたショーン・ノリスが61ストロークと記録的スコアを叩き出し、通算15アンダーで首位に立った。2位はスコアを4つ伸ばし9アンダーとした鈴木晃祐。さらに1打差3位に細野勇策、岩田寛、蟬川泰果が追走する。前年覇者の杉浦悠太は74と振るわず10位に順位を落とした。決勝ラウンドはイーブンパーまでの60位タイまで71名が進出した。また初日に塚田よおすけに続き、寺岡裕隆が4番ホール(156yard/par3)でホールインワンを達成した。

第2ラウンドの午前組スタートからビッグ・ニュースが舞い込んできた。南アフリカ出身で先週43歳の誕生日を迎えたばかりのショーン・ノリスが11バーディ・ノーボギーの61でホールアウトしたという。イン10番からスタートして11番から5連続バーディがきたあと18番もバーディとし前半終わって30。後半でも快進撃は止まらず1,2番を含め3連続バーディ。5,8番もバーディでスコアを積み上げ、最終18番ではグリーン右奥から15ヤードのアプローチをジャストな転がしで流し入れ、ギャラリーの前で11個目のバーディを披露した。コンディションが難しくなってくる午後組からはスコアを伸ばした選手があらわれず、ノリスが首位を逆転した形になった。
逆手グリップのアプローチは、昨年途中から練習の中で”フィール・グッド”と感覚を探し当てたテクニックだという。「左手のほうがコントロールしやすい」と取り組みの成果が現れてきた様子だ。
そして「61」というストローク数は、1991年大会最終ラウンドの尾崎将司に並ぶ最少ストロークタイの記録となった。

「特に何かってことでもないのですが、ゲームに集中することができました。重要なのはフェアウェイキープ。フェアウェイ、グリーン、フェアウェイ、グリーンっていうゲームプランです」とプレー内容もシンプルだ。フェアウェイのショートゲームも手ごたえが良かった。ピンまで3,4メートルの距離につけ、バーディチャンスを作り続けた。この日のパッティング数は「18」。ノリスはトーナメント18ホールでの最少パット数タイ3人目のリストにも加わった。
何が調子よいということでもなく、昨年レギュラーツアーの最終戦日本シリーズJTカップを逆転で制し賞金ランキング3位でシーズンを終えている。また日本シリーズ優勝の2週間後に「アルフレッド・ダンヒル選手権」でヨーロッパツアー2勝目、今年3月に「ヨハネスブルグオープン」では惜しくもプレーオフ負けしたが、好機を生かすチャンスが日本プロの予選ラウンドで巡ってきたのだ。

ノリスはこれまでに17年「日本ゴルフツアー選手権」、21年「日本オープン」、24年「日本シリーズ」を制しており、「日本プロ」のタイトルを獲れば国内日本タイトル4冠達成という快挙で、史上7人目のグランドスラマーとして歴史に名を刻むことになる。ノリスは「日本シリーズ優勝後マネージャーに『あとは日本プロだけだね』と言われ、私にとってこの大会に対する位置づけはわかっていました。それはアメージング・アチーブメントでもあり、私にとっての挑戦でもあります」と見据えている。
「残り2日間これまでやってきたゲームプランを続けていくだけです。アプローチ、パットを決めるだけ。その結果が優勝であれば嬉しいです」。日本のみならずヨーロッパ、そして母国の南アフリカツアーと世界で戦うノリスが、日本タイトル奪取に向けていよいよ動き出す。
