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【関西グランド KOJIMAHD杯/FR】上出裕也が逆転優勝を飾り、関西グランドタイトルを獲得「出る試合全部にベストを出したい」

2025年05月09日
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西日本で活動する60歳から67歳までのプロゴルファー66名が出場している「関西プロゴルフゴールドシニア選手権大会KOJIMAホールディングスカップ」の最終ラウンドが広島ゴルフ倶楽部鈴が峰コース(5,895ヤード・パー70)で開催された。
1オーバー8位からスタートした上出裕也(60)が5バーディ・4ボギーの69で回り140ストローク、イーブンパーで逆転優勝を飾った。上出には優勝賞金20万円とトロフィーが贈られた。1打差2位には68で回った奥田靖己(65)、3位2オーバーに佐藤浩司(64)が入った。

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最終ラウンドは荒天が予想され、グランドのスタート時間も予定より前倒しでゲームは進められた。朝8時の時点で18度あった気温は、最終組がハーフターンするころには15度まで空気が冷え雨も強くなった。前日の暑さとはうって変わった環境でのプレーに、選手も集中力を研ぎ澄ませていく。

60歳の上出裕也(かみで・ひろや)は今年のシニア最終予選会12位という順位で、シニアツアー参戦しているのだが、これまで2戦を終えて平均パット数80位(2.0526)と不調の原因が明らかになっているので、この関西グランドに向けて”高麗グリーン対策”を講じ、芯でヒットできるように、とにかく毎日パッティングを1時間半みっちり練習してきたという。その影響は、背中痛そして脇腹痛までおよび「身体のばせなくなってね、今回こわごわやっていたんです」と打ち明ける。

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そんな不安な状態で挑んだ最終ラウンドは、パッティングが良く決まった。27パットを振り返ると、長い距離で5メートルを流し込み、ショットもピンに絡められた。最後18番では1ピンにつけバーディを仕留めての優勝を決めた。第1ラウンドが33パット(71ストローク)だったことからも、パッティングで決められたことがわかる。

上出は「優勝を狙ったわけじゃないんですよ。日本グランドの出場資格を取ることが一番だったので。残り2ホールになって同組の選手からバーディあと2つ取ったらわからんよ、と言われて、気持ち引き締めましたね」と振り返る。他の選手がスコアを伸ばせない中で終わってみれば3打差に8名がひしめく混戦を抜けだし、上出が関西グランド優勝を決めたのだった。「2002年に関西オープンで優勝していて、またひとつ関西タイトルが増えました」と喜びを語った。

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グランドシニア入りして感じていることがあるという。「50歳でシニアデビューしたときは、意気揚々とね、優勝争いを目指していたことにツアーの楽しさを感じていました。あの時にもうちょっとやっておけばとか、一勝しておきたかったとか思いばかりが空回りして、どんどん下降線をたどっていってね。それで60歳と50歳では、もう試合に対する感覚が違い過ぎることもあるから、考えが変わったんですよ」と打ち明ける。

「今は出られる試合全部、納得できるようにベストを尽くしたい。それが目標です」。試合出場を続けてきたベテランならではの言葉はひとつ意思になった。

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「来年このコースでぜひ倉本さんとプレーご一緒させてもらいたいです。グランド、ゴールドという世代になり、攻め方やマネジメントの違いを見て、勉強させてもらいたい」と目を輝かせる。今月末にはシニアツアー3戦目の「すまいーだカップシニア」が、そして関西代表として挑む今年9月の日本グランドシニアも舞台が用意されている。試合への向き合い方を新たに、上出は挑戦を続ける。

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