
「関西プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権大会KOJIMAホールディングスカップ」が広島ゴルフ倶楽部鈴が峰コースで開催される。本コースでは2021年以来4度目となる。西日本で活動する60歳以上のグランドシニアプロ68名、68歳以上のゴールドシニア38名が参加。コースは広島初のゴルフ場として、昭和27年(1928年)に開場し、3年後の2028年には100周年を迎える歴史を持つ。広島県出身の佐藤儀一氏による設計でフェアウェイは狭く絞られ、高低差もある丘陵コースだ。クラブハウスのある高い位置からは瀬戸内海の美しい内海と島々が望め、温暖な気候がコースの魅力になっている。
競技委員長を務める石井裕人氏は「コースは狭くてタイトです。ホールはOBに囲まれているので、ショットの正確さが求められます。ティーショットの狙いどころは狭いので、勇気を出してドライバーが持てるかどうか。さらに高麗グリーン独特の難しさに挑戦することになるでしょう。ベント芝のようにきれいにラインに乗らない。総距離は短くても、スコアを作るのは別。グリーンでピンに止められるかどうか」と難しさをあげる。

ゴールドの部で出場する西川貴祥(75)は、コース設計者の特徴が存分に感じられるコースだと言う。「重い高麗グリーンに四苦八苦する、難易度が高いコースです。佐藤氏は昭和33年からの数年で25もの名コースを手掛けていますが、当時はパーシモンとバラタボールを使い、飛距離がなくても自由自在に球を操ることでスコアを作れていました。現在は道具が進化していてもこのコースは難しい。思っているより難しくなっているんじゃないかな」と首をかしげる。
「佐藤氏の名コースは難易度が高いですが、ゴルフ力を育ててくれるんですよ。外的、内的要因に対して自分のできる工夫が求められる。そういったコースで理事長の倉本さんは、日本を代表するプレーヤーになられたんですよ。素晴らしい環境だと思います」と名設計家のコースを評価する。「ゴルフには正解がないですし、間違いの間違いが上手くこともあります。シニアの経験とゴルフ力を、こういう大会で発揮できればいいですね」。2020年大会のチャンピオンでもある西川は、目を細めて明日からの戦いを見据えていた。

2019年から3年間、本大会開催に尽力いただいたのがゴールドの部で出場する倉本昌弘。PGA会長を8年間勤め、現在はPGA相談役そしてJGTO副会長としてプロゴルフ界をけん引している。広島出身の倉本が、広島ゴルフ倶楽部の小島前理事長から理事長のバトンを受け継いでから、早いもので7年目だといい「古い歴史を持つコースで、プレーヤーの実力を引き出してくれる。5900ヤードでも、短く感じない戦略性が高く面白い」と魅力を口にする。4年ぶりの大会は「コジマホールディングスカップ」と協賛に賛同いただき、2027年までの3年間この広島ゴルフ倶楽部鈴が峰コースで開催する予定となっている。
8日朝8時から10分間隔でゴールドの部が、8時50分からグランドの部がスタートする。歴史と伝統のあるコースで、今年の西日本のグランド・ゴールドチャンピオンがいよいよ決定する。
