
今季PGAシニアツアーの出場優先順位を決める「最終予選会」の最終ラウンドが3月13日に鹿児島県にあるいぶすきゴルフクラブ(6,900ヤード/パー72)で行われ、2アンダー15位からスタートした渡部光洋(53)が、6バーディー・ボギーフリーで回り、通算8アンダーまでスコアを伸ばしてトップ通過を果たした。7アンダー2位にはシニア9年目を迎える河村雅之(57)、3位に杉山佐智雄(51)が入った。
最終予選会の3日間は天気予報が当たらない、難しい季節の境目だった。最終日の天気予報は雨。当日朝は曇りから晴れ間も覗き、開聞岳も全景が現れたのもつかの間、上空はだんだんと雲に覆われ、あっという間にシトシト雨模様。冷たい北東の風も吹き抜け、選手は集中力を強いられた。「もうすぐプロ生活30年になるけど、この予選会の緊張感だけはどうも慣れない」とスタート前にため息をついている選手もいる。最後まであきらめずに戦い抜くことを誓った117名による最終日は、空気が張り詰めた状態でスタートした。

昨年シニアツアーに出場資格した予選会ランキングを振り返ると、出場順位が少ない大会がファンケルクラシックの23位で、順位が降りてきたのは日本プロシニアの79位が参考としての実績。今年も実績を指標にしつつ、有資格者のエントリーの状況を見定めることになるのだが、やはり予選会1位通過という成績は実力の証。シニアツアー参戦に相応しい選手が最終ラウンドで決定した。
最終日は2アンダー15位からスタートした渡部光洋が6バーディー・ボギーフリーで回り、通算8アンダーまでスコアを伸ばしてトップの座を射止めた。渡部は2022年のシニアツアー「いわさき白露シニア」でシニア初優勝を飾り、その後2年間シード選手として活躍していたが、昨年は賞金シードまで約11万円及ばずランキング31位でシード権消失。今回は最終予選会で出場資格を獲りにいった形となった。

渡部は「試合に戻りたい、出たい気持ちがありました。2日間はまったり上手くいかなかったりの繰り返しでしたから、今日はいくだけいってみようという気持ちでプレーしました。何度もピンチに見舞われましたが、6つバーディを獲れてほんと良かったです」とラウンドを振り返った。
「最終予選会の会場が2022年に優勝したコース(いわさき白露シニア)ということも、僕にとってはアドバンテージだったと思います。改めて相性のいいコースだと確信しました」。渡部は最後までしっかり戦い抜いて、結果をつかみ取った形だ。
再びシニアツアーのフィールドで渡部は戦うことになるが「去年は賞金ランキングが31位。最後までシードを決めきれなかったので、今年は早くシードが獲れるように頑張りたいです」と目標を定めた。そして「そうですね、・・・やっぱり勝ちたいです。おまけでもね」と渡部の柔和な笑みがこぼれた。
今回の最終予選会から出場資格を獲得した上位10位までの選手、そして出場の可能性が高い上位ランカーの活躍にも注目したい。
通算 順位 氏名
-8 1 渡部 光洋 (小野東洋GC)
-7 2 河村 雅之 (安芸CC)
3 杉山佐智雄 (フリー)
-6 4 デニー・チア (フリー・マレーシア)
5 野上 貴夫 (フリー)
6 前田 紘成 (土佐CC)
7 井上 清孝 (岐阜関CC)
-5 8 小久保晃一 (ゴルトモアカデミー)
-4 9 堺谷 和将 (チーズ王国)
10 スティーブ・ホームズ (フリー・米国)
