
今季PGAシニアツアーの出場優先順位を決める「最終予選会」の第2ラウンドが3月12日に鹿児島県にあるいぶすきゴルフクラブ(6,900ヤード/パー72)で行われた。前日の春寒の天気から一転、太陽ものぞき日中の気温も20℃まで上昇。いぶすき特有の風も穏やかで、選手はプレーに集中できる環境が整った。
第2ラウンドは4アンダー首位スタートの杉山佐智雄(51)が、さらに4つスコアを伸ばして単独首位についた。1打差2位には67をマークしたベテランの篠崎紀夫(55)、さらに1打差には50歳の井上清孝、斉藤光博の二人が続いている。アンダーパーは29名で、最終日も上位を狙うハイレベルな戦いが見込まれる。

4アンダー首位スタートの杉山佐智雄は、イン10番からパーを重ね、13番でバンカーが目玉になりボギーを先行させてしまったが、続く14番でバウンスバックに成功。18番で2メートルのパットを沈めて前半1アンダー。後半は1、3番でバーディを重ねたが、5番でイージーミスのボギーに。「60台を出したい」と目標をクリアにして7番、8番を連続バーディ。第2ラウンドを6バーディ・2ボギーの68ストロークとし、通算8アンダーまでスコアを伸ばし単独首位に立った。
「順位というよりはスコアを意識しました」と杉山。最終予選会に向けて調子を上げてきたことは間違いない。「1月はゴルフしませんでした。2月のタイ合宿から徐々に始動して、3月は福岡、宮崎、鹿児島と転々と先輩とゴルフしてきました」と取り組みを振り返った。

「去年の最終予選の最終日は目玉2回やって、ダボにして。それまでイーブンで来ていたのにね一日で4オーバー。結果は38位で、昨年は少ししか試合出られず悔しい思いで過ごしてきました。だから今年こそはとリベンジを狙っています」と口元を引き締めている。
いぶすきで気を付けていることを聞くと「バンカー越えのシーンはピンを狙わずに打とうという作戦だったのですが、結局は雨の影響でボールは止まりますし、普通にやろろうと。作戦変更も練習ラウンドあってこそですからね。毎日状況判断をしながら勉強させてもらっています」と着実にレベルを上げている。
「ようやくね、51歳からパターがやっと人並みになってきた」とパッティングの精度を上げていることも、ハイスコアの要因。「ちょっといい練習方法を思いついて、その成果がでてきたかもしれない」と明るい兆しもある。
「絶対に気を抜かないで、最後までやります。シニア開幕戦『ユニテックスシニア』が近所の開催ということもあり、出場したい」。一年前の屈辱を果たすためには順位ではなく、きちんと納得のいくスコアで回ることが求められる。
◇ 第2ラウンド 上位選手コメント ◇

〔2位 篠崎紀夫 -7〕 137 (70・67)
帰ってきましたよ。今日は6バーディ・1ボギーという内容でした。グリーンが読みづらいので手こずりますが、インスタート13番バーディの後、16番をボギーに。“安全運転”にしなきゃって気持ちを切り替えて。18番では1.5メートルを沈めて、アンダーでハーフターンできました。後半最終3ホールは、打ち損じなく、3連続バーディでフィニッシュできて気分もいいです。
初日はぎっくり腰の影響でこわごわやってましたが、痛み止めが効いて不安が無くなったので、しっかりクラブも振れていることが大きいです。攻めすぎず初心にかえってプレーすれば、成績につながると改めて思いました。去年は勢いをつけようとして、空回りしたのが敗因です。
最終日も安全運転。ムリ・ムラ・ムダの3Mを守ってやります。

〔3T 井上清孝 -6〕 138 (69・69)
2日目、なんとか持ちました。いいところでミスしたり、OKバーディが拾えていますが、ミスすると相当厳しいプレッシャーのかかるパーセーブを求められました。とりあえず、良かったです。
2日通じて同組の流れもよく、それに引っ張ってもらったことも助かります。先行して良いショットを打ってくれたプレーヤーの後で、良いイメージで打てましたね。
あと一日、体力勝負です。

〔6T 鈴木一徳 -4〕 140 (75・65)
このコースは初めてで、指定練習日に1ラウンドしただけなので、コースもあまり覚えていないのですが、初日は雨も降って前半2アンダーだったのに、後半5オーバーで3オーバーという成績でした。
今日は(インスタート)11番で3パットボギーに。12番はバーディで取り返すと14、16番でスコアを伸ばし、前半2アンダーで回れました。同組の立山光広さんに「昨日みたいに後半打つなよ、気をつけろ」ってハッパかけてもらって、有難かったです。
後半だけで6つバーディを獲れて、終わってみたら9バーディ・2ボギーの65でした。今日は3アンダーくらいで回れてイーブンパーが目標でしたから、本当に上出来の一日です。
最終予選会は4年前のトム・ワトソン以来。29位という当時の順位では3試合しか出場できませんでした。今年こそ順位をあげてシニアツアーに出場したいです。

〔6T 小久保晃一 -4〕 140 (74・66)
流れに乗れましたね。たまたまですよ。7バーディー・1ボギーでした。ピンチがあまりなかったことも、良い意味でポジティブでゴルフに前向きになれました。それと、途中で風向きが逆になったんですよね。それは自分の球筋にあう風向きで、充分に攻めるゲームができました。
3年連続でいぶすきでこの最終予選会にださせてもらっています。昨年は2日目が良くて、最終日で大叩きしてしまったから、今回はそのリベンジを果たすつもりです。
シニアはもう4年目を迎えますね。もう時間が無い(笑)。妻も今年はレジェンズQTを通過してレジェンドツアーに出られることも、発奮材料。夫婦それぞれがプロゴルファーとして、ツアーを一緒に歩める年にしたいです。

〔10T 久保勝美 -3〕 141 (73・68)
昨年のシニア最終戦の時に、記念撮影しちゃったんだよね(笑)。60代の仲間で一緒にいられるのが、最後かもしれないって。そんなことない。仲間がみんな頑張ってるし、俺も一緒にやりたいんでね。やるしかないです、どうなるか。
それにしても若い選手は球も飛ぶし、思い切りもいいし。俺らは「これでもか、これでもか」っておしんみたいなゴルフしてて、そう、根性だけは若い選手に負けないよ。
飛距離もスピードも負けるけどね、「根性」が俺らの売りです。あと一日頑張ります。

〔10T 村上克佳 -3〕 141 (74・67)
スタート(10番ホール)で残り100ヤード、フェアウェイから乗らず、寄らずボギー発進で。次の11番ホールでバーディが獲れて、12番でパーセーブ。序盤はここで落ち着けましたね。いぶすきは最終戦も含めて4回目の試合ですから、マネジメントはさすがに慎重になります。去年は池によく入れた17番もバーディを決められたし、冷静にゲームを進められました。後半にはいっても1、4番とバーディでスコアを伸ばせましたし、7番は15メートルくらい長いのが入ってくれてラッキーでした。
昨日にくらべて風も穏やかでしたし、風向きが逆だったのも良かったです。あとは精一杯やるだけです。

〔15T 林 稔 -2〕 142 (74・68)
昨日はショットイメージが良かったのですが、パッティングが決められなかったので、オーバーパーでした。今日は天気が良かったですし、精神的にも穏やかにいけたことが良かったのかもしれません。パッティングが良く決まりました。
このコースは傾斜が気になりだすのですが、そこでターゲットを絞りすぎるとゴルフが硬くなってしまうんです。だから大きなエリアを狙うように意識してプレーしています。
今までの積み重ねを信じて、やるだけです。ジワリ、ジワリ。がっつかないでやること。同組のみなさんも非常にプレーしやすい雰囲気でしたし、良い緊張の中で楽しめました。
明日は順位を気にしないようにします。去年の成績(112位)を超えて、自分の成長を感じてみたい。