今年8月に79歳になった中島弘二が、2022年以来の選手権出場で好プレーを見せ、75ストロークで回りエージシュートを達成。3オーバー5位タイで首位2打差。我慢の18ホールを喜んだ。
風と寒さが厳しい一日。前半は1バーディ・4ボギーと凌いで後半へ。11番でバーディを獲ると12番、13番では連続ボギーに。14番パー5ではバーディを取り返したが、15番でボギーと出入りの激しいゲームが続いた。終わってみれば、後半1つスコアを落とすにとどまり、全体でみれば上位フィニッシュで、エージシュートというご褒美もついてきた。
「エージシュートを目標にしていたからね。嬉しいです。烏山城は良く知っているコースなだけに、今日のコンディションは難しかった」と試合功者の中島は喜びを口にした。
中島にとっては久々の復活ゲームだ。レギュラーでは勝ち星は無いものの、1996年のシニア公式戦日本プロシニアで優勝。2016年には日本プロゴルフゴールドシニアで優勝を飾っている。最近では2022年に日本ゴールドに出場したものの、それ以降は体調を崩したこともあり、復活するまでに時間を要したが「それなりですけどね、今回は自分のゴルフをやらせてもらいました」と笑顔を見せた。
「ピンを目指してやるゴルフは気分がいいです。アイアンショットも良かったですし、難しいグリーンも安全に、安全にと向き合うことができて良かった。3オーバーでしょう。それは満足しています」。
エージシュートにも余裕がある75をマークし、さらに79歳という年齢は出場選手で小川清二に続き2番目の年長者でもあるが、「ようやくね、最近は年齢を聞かれることが嬉しいんですよ。だって、エージシュートの話がしやすいでしょう」と心も躍らせている様子。エージシュートというだけで話題が一気に広がるのも、ゴルフの魅力でもある。
中島は現在、週2、3回のラウンドレッスンを茨城ゴルフ倶楽部で行っているという。また中島は現JLPGAの会長で国内女子ツアー10勝、海外ツアー5勝を挙げている小林浩美や、女子ツアー1勝をマークしている香妻琴乃の師匠として知られているが「この年になってもね、頼ってくる方がいらっしゃって。なんとかねしてあげたいと、私のできることはお伝えしています」と中島のアドバイスを求める声は強い。「今の女子プロはパワーがあって当然。私は勝負どころでどうメンタルを出すのかを伝えたり、スイングを診たり。教えている女子プロにはぜひ勝たせてあげたい。ツアー初優勝まであと少しのところまできています」。
今回中島のエージシュートも、レッスン指導を受けている女子プロゴルファーの大きな励みになっているに違いない。