60歳以上のグランドシニア、68歳以上のゴールドシニアと2つの部門でティーチングプロ日本一を目指す「PGAティーチングプログランド・ゴールドシニア選手権大会」の第1ラウンドが栃木県にある烏山城カントリークラブ 本丸・三の丸(6,352ヤード/パー72)で11月6日に行われた。
ゴールドの部で首位に立ったのは、73で回ったゴールドルーキーの島村豆至天(68・トライアングルゴルフ)。1打差2位に高野忠義(74)、高橋完(68)、橋本日都(70)が続く。エージシュートは中島弘二(75ストローク・79歳)、青木民也(77ストローク・77歳)、高野忠義(74ストローク・74歳)の3名が達成している。
ゴールドの部で首位に立った島村は、3バーディ・4ボギーで回り「いやぁ、生きてるだけでも喜びですからね」と充実感をにじませた。
本丸1番パー5ホールでは絶好のティーショットを放ち、グリーンにきっちりと寄せて2メートルのバーディパットを仕留めて好発進した。気分も上がる“おはようバーディ”でも、島村は「静かにやろうと決めていました。バーディでも喜ばない、ボギー打っても悲しまない。私のゴルフはある程度メンタルゾーンの中でやっています」と説明。「泣いたり悲しんだり、喜んだり。ゴルフには感情の起伏がつきもの。だけどね、感情の波は小さくしています。僕たちは仕事でゴルフをしている立場ですからね、喜怒哀楽は18ホール終わってから。アマチュアの方はストレス発散のためのゴルフでも良いので、喜んだり悲しんだりしてもらえれば良いと思っています。だけど僕たちは仕事の中で(感情を)爆発することはできないんですよね」。
島村は、試合中の感情を一定に保つことを20年前から続けており、それが初日首位スタートという成績を生み出した。
島村は週4日東京にある成城ゴルフクラブで、月2回は埼玉の和光ゴルフ練習場でレッスンを行っている。成城の朝は6時からレッスンが始まる。「毎日4時30分に起床して、準備して。午後のレッスンが終わったら自分の練習をさせてもらって、終わるのが大体夕方5時ですかね。練習場以外にもコースレッスンを行ったり、ゴルフ仕事漬けです。でもね、教える仕事、学んでもらえる仕事は楽しいんですよね」とティーチングプロの生活を明かしてくれた。
「レッスンの醍醐味は、少しずつ生徒さんのゴルフが出来上がっていくのが魅力です。初心者の方の少しずつレベルがあがっていき、ゴルファー予備軍になり、そこから90を切れるようになってくると、こっちも燃えてくる(笑)。だから、面倒くさい生徒さんは教えがいがあるんです」と穏やかな表情をみせた。
首位で最終日最終組を迎えることには「そうですね、明日は60台のゴルフをしたい。エージシュートを目指してやります」と今年68歳になったばかりの島村は言葉を弾ませる。試合中は良くても悪くても我慢、我慢と自分に言い聞かせて18ホール。2007年のティーチングプロシニア歴代覇者は、17年ぶりの戴冠を目指して戦い抜く。