国内シニアツアーは今大会を含めて残り2戦。賞金ランキング30位以内のシード争いも佳境を迎えている。そんな中、シード圏外にいる桑原克典と篠崎紀夫がともにボギーフリーのゴルフで、それぞれ6アンダー・3位タイ、5アンダー・5位タイの好発進を決めた。
1969年生まれでシニアツアー6年目を迎えている桑原の賞金ランキングは現在41位(359万8955円)。昨年まで5季連続で賞金シードはクリアしてきた。現在ボーダーの30位にいる飯島宏明とは70万円強の差があるが、シードを確定させるためには、さらなる上積みが必要となる。「シードは欲しいけど、シードと思ってやっているとめちゃくちゃゴルフがつまらないから、毎日毎日、一打一打のプレーに集中しよう思っています」。
もしシードを落とせば、来年3月に行われる最終予選会に回ることになるが、「予選会に行きます」と覚悟はできている。また、「ジュニアの頃から成績を追ってやってきているから、楽しくやりたいと思っているんですよね。とにかく楽しむことを追求していって、結果がついてくればいい」と、残り2戦で上位に入らないと後がない状況だが、シードにこだわったゴルフはしたくないと考えている。
一方、桑原と同じ69年生まれで2021年のシニアツアー賞金王、篠崎も崖っぷちにいる。今年はここまで11試合に出場して、賞金ランキングは37位(393万6658円)。22年シーズンは賞金ランキング34位、昨シーズンは同36位でシード圏外だったが、賞金王による3年シードがあった。その効力を今年で失うため、来季もシニアツアーに出場するためには、賞金ランキング30位を死守しなければならない。現状は自分でもよく分かっている。
「明日頑張ってベスト5くらいで(賞金が)3桁くらい積み重ねればボーダーラインが見える」。5位に入れば賞金ランキング30位に肉薄し、最終戦ではそこまでプレッシャーがかからない位置でプレーすることができる。また単独2位なら、最終戦の成績に関係なく30位以内が確定する可能性もある。
同い年でよく食事をともにするツアー仲間のうち、桑原は同じような境遇にいるが、鹿志村光一は前週の「福岡シニアオープン」で2位タイに入り、圏外から賞金ランキング29位まで浮上。塚田好宣も前週4位タイの成績で、賞金ランキング22位と安全圏に入りつつある。「仲間がいるのは励みになるし、付いていこうと思う。みんな頑張っている中で取り残されてちょっと寂しいけど、ここで悪あがきをしても良い結果は絶対出ない。力まず普通にやるだけかなと思っています」。優勝の行方とともに、55歳の男たちのシード争いにも注目したい。