49歳、河野一哉(かわのいちや)が4バーディ・ボギーフリーの内容で4アンダー首位1打差2位に着けている。前半インスタートでは、16番パー4で残り120ヤードをピッチングでベタピンにつけてバーディを先行。17番パー3ではピン奥から2メートルのパットを仕留めて後半へ。パー行進が続いたが、6、7番で連続のバーディでスコアを伸ばして「ノーボギー」という結果は、ベテランの充実感を漂わせた。「目指すプレーは、ボギーを打たないゴルフ。攻めるゴルフをするとはじかれる」と、選手権初日の状況を冷静に分析しているのだ。
河野は現在、北海道にある札幌の「NBプライベートゴルフクリニック」というインドアゴルフ練習場で17年レッスンを中心に活動をしている。資格認定プロテストに合格したのが2008年。将来のプロ活動に必要なレッスンスキルも勉強し、ティーチングプロB級資格も取得。生活の中心は週5日朝10時から夜9時までレッスンをこなしながら、トーナメント出場を目指し、日々研鑽を積んでいるのである。
これまでレギュラーツアーには3回出場経験があるが、予選通過は果たせなかった。だからこそトーナメントへの夢は諦めていない。「来年50歳になることもありシニアツアー出場が目標。今から飛距離アップのために身体づくりをしてますよ」と目を輝かせる。
「自分のスタイルは崩したくない。若い頃からがんこなんですよ(笑)。若いプロたちから学びもたくさんある。ゴルフは常に進化するし、それには勉強も必要。だからこそ、自分のできることをこれから試していきたい」。地元北海道では若い世代から慕われている河野。北海道はプロゴルファーが協力してゴルフ環境を整備している今こそ、先輩としては後輩とフレキシブルな関係を願っている。「頑張ってみます。きっと良い緊張感があって、それは楽しんでやりたい」。ベテラン河野の挑戦は、シニア入りに向けたひとつの試金石になる。