首位スタートの桐島と同じく、今年PGAティーチングB級会員として入会したばかりの竹中智哉が、首位と2打差3位タイに着けている。イン10番ホールからスタートしたが、緊張のあまり、出だしからアプローチが寄らず2連続のボギー発進。不安な気持ちで挑んだ3ホール目の12番パー5ではサード残り90ヤードからピン5メートルに着けたパットを沈めてバーディとし、バウンスバックに成功。15番パー5でも3メートルを決めて前半をイーブンパーでターンする。
バックナインのスタート1、2番を連続バーディとし、流れを冷静に見定めて、7番パー5でもグリーン奥からアプローチをきっちり寄せて、この日5つ目のバーディ奪取に成功。上がってみれば、全体の3位と好調な滑り出しを見せた。その実力は「今年6月からラウンドでオーバーパーを打っていない」という自信の裏付けもあったようだ。
竹中は大学を卒業してから3年間、資格認定プロテストに挑戦しているという。最終プロテスト経験はザ・クラシックゴルフ倶楽部と、登別カントリー倶楽部で、ギリギリのところで涙をのんだ。「3度目の挑戦を終えて、プレーヤー以外で進む道を選択する決意をしました」と振り返る。それからはティーチングプロ資格獲得を目指して、実技試験をサンコーカントリークラブで受験し合格。講習会の勉強がスタートしたものの「これまで勉強という勉強は車の運転免許取る以外にしていなかったので(笑)、教本を手に、毎日読みまくって書きまくって覚える努力をしました」と当時を振り返った。
「メンタルというか・・・緊張に弱いのです。だから説明検定(教本通りの内容をプレゼンする)でもすごく苦労しました。だけど、なんとか一科目の再検定で終えられたので、あの時の苦労は身に染みていますし、今のレッスンにとても役に立っています」。竹中は胸を張った。
現在は、愛知県にあるゴルフスタジオBERG(ベルグ)東刈谷店をひとりで任されるまでの人気ティーチングプロとして活躍している。マンツーマンレッスンを月に160コマをこなすという離れ業をみせ、レッスン生は100人を抱えるまでに至っている。「サブスクスタイルなので、今回の選手権に出場するために、生徒さんにはレッスンスケジュールを調整いただいて、迷惑もかけています。その分の成果を出して、良い報告を持ち帰りたい」と口を引き締めた。
「ティーチングプロとしてゴルフを楽しんでいる今の自分が、どこまで通用するのかを知りたいですし、大会を楽しみたいと思っています」と自らを鼓舞したのだった。