「第4回ティーチングプロ女子選手権大会サンコーカントリークラブカップ2024」が群馬にあるサンコーカントリークラブ・東コースで開催される。2019年に会員の募集が始まり、2021年に5名の会員から始まった女性会員は現在25名と徐々に入会希望が増えている。今年は11名が出場し、そのうち5名が初出場。一年に一度しかない大会ということもあり、それぞれが期待を胸に膨らませ出場に備えて準備を重ねてきた。
現在サンコーカントリーではB級講習会の前期3、4学期、後期2学期が行われている。1つの学期はおおよそ4日間にかけて行われ、内容としては講習会の中で検定が行われ、アドレス(構え)、ドライバー、7番アイアンのショット、フックスライス、球の高低を打ち分けられること。また練習場では、スクール検定といわれる「模擬レッスンのテスト」も行われ、専門指導員の元、各項目を完全にクリアすることが求められる。このフィールドに立つティーチングプロを目標に勉強してきた選手たちは、PGAの理論である「基本ゴルフ教本」の内容を理解しており、これまで培ってきたレッスン論を軸に会員活動をしているのである。
昨年の開催コース新宝塚CCで大会3連覇を果たした高木亜希子。今年優勝すれば前人未到の4連覇を達成することになる。高木は「ティーチングプロB級受講者認定の実技試験で訪れたコースなので、とても懐かしいです。コースでというよりも、ハウス内で講習会を一生懸命受けていた感じですね」と振り返る。
高木は「受験当時はレッスンもしたことが無かったので、エアレッスン(スクール検定)で苦労しました。ただその時に習得したことが、今のレッスンにすごく生きています」と感謝する。「プロを目指そうと志したコースですので、思い入れはあります。トリッキーさはないですけど、まずは簡単なボギーを叩かないようにしたいです。今の力を出せれば、結果がついてくると思います」と前を向く。
相当なプレッシャーがかかるはずだが「師匠の南崎次郎プロから『4連覇と思うと大変になるから5連覇を目指す』と思ってやりなさい」ともらった心強いアドバイスを胸に、これまで準備を重ねてきたことを信じて戦うと誓った。
高木と同じ女性会員一期生の深澤愛梨。サンコーの講習会は「社会人からゴルフを始めたので、PGAの型である教本通りに基礎を覚えるのは、新鮮でしたけど大変でした」と苦笑い。「でも当時の講習会のおかげで、基礎がどれだけ大切なのかということをわかりましたし、今レッスンさせていただいてるお客様にも、基礎があって応用編にレベルをあげられると説明ができます。レッスンに生きる講習会でした」。深澤もティーチングプロ会員4年目だが、休みなくレッスン活動に邁進する日々をすごしている。
現在は静岡県ゴルフ協会と静岡プロゴルフ会が推進するゴルフ授業のプロジェクトに参画し、静岡市近郊の小中学校でゴルフ授業の講師を務めている。「はじめはゴルフというイメージが掴みにくい生徒が多いのですが、だんだんと技術を学んでいくうちに、面白さがわかってくれるようになっているみたいで。上手くやれるようになると喜んでいる姿がみられて、私もやりがいになっています」と顔をほころばせる。
深澤は学校の講師以外にも、練習場やラウンドレッスンと活動も多岐にわたるが、選手権に向けて一層ゴルフに集中するべく、今はスパートをかけている。「今年もオーバーパーをしないゴルフができるといいです。コースは広々としているので、得意なドライバーショットで良い流れを生み出したい」と意欲を燃やす。