シニアルーキー50歳終了まであと9日に迫った山下和宏が、第1ラウンドで65をマークし、首位を快走するプラヤド・マークセンのひとつ後ろ、2位タイにつけて優勝争いに加わった。仕留めたバーディーは8つ、ボギー1つと安定したプレーを展開。「ショットもパットも良かったし、1 回だけ 3 パット(前半15番パー4)はしましたけど、それ以外は全部良かったかなと思います」と振り返った。
前半を33で折り返し、後半1番ホールではセカンドショットをグリーンエッジまで残り5ヤードまで攻め、アプローチは寄せきれなかったものの難なくバーディー。5、6番でさらにスコアを伸ばし、最終9番パー4では3、4メートルにつけて堂々のバーディーフィニッシュと流れに乗った。本人も「パーオン率が100%でショットが安定していた」と満点ゴルフ。「最近割と調子自体は良くなっていたのですが、あとはパット次第。良くなりかけているのに、焦ったりするから獲りにいってミス。今年の中盤はショットがボロボロになって、そこからだいぶ復活してきました」と分析する。
山下は2007年、2014年の兵庫県オープン、2009年には北陸オープンで優勝を飾っているがレギュラー、シニアでは未勝利。今年3月に挑戦した最終予選会では19位とし、これまでシニアツアーには全試合に参加。初シーズンを振り返ると、シニア開幕戦「ノジマチャンピオンカップ」初日に66をマークし最終日最終組で戦ったが、結局スコアを伸ばせずに8位に終わったのが最高順位。気持ちは焦るばかりで成績が出せない状況に「シニアツアーではみんなすごく真剣ですし、本当にゴルフのことを理解していないと対応できない」と唇をかむ。「所属コースのラウンドレッスンひとつとっても、ちゃんとゴルフに向き合っていないと、散漫な精神状態があだになる」ということを、山下は身を持って経験している。
「普段から気持ちを切らさないようにすることが大事」と山下が始めたひとつにトレーニングジム通いがある。「今年の夏場は乗り切るのに精いっぱいでしたから、何か変化を求めてはじめました。ラン含めて1時間くらいトレーニングするようになりましたね」と目を輝かせる。短期決戦スタートダッシュの求められる2日間勝負や、実力とバランスの試される3日間試合、公式戦の4日間とシニアツアーは色んな戦い方が要求され、その中で結果を出さないと翌年のツアー生活に繋げられない。「自分のできることは限られていますが、精一杯取り組んで、明日の最終日は早い段階でおわらないように、しぶとくやりたいです」と、今年の開幕戦以来となる最終日最終組での健闘を誓った。