「落ち着いてプレーできました。今日は90点くらいです」と笑顔が広がったのが、飯島宏明(53)。現在賞金ランキングは35位。シード圏外の順位ということもあり、本大会を含め3試合での巻き返しを誓っている。
ようやくショットが上向きになってきた。飯島は今週初めに行われたワンデートーナメントの中で、若手選手からスイングのヒントを得たことで、安定したショットが打てている。ショットイメージが良いので自信につながり、それ以降のマネジメントに良い影響がでているようだ。
飯島は朝5時に目が覚めて「スタートホールのティーショットをクリーク(5番ウッド)かドライバーかどうしよう」という不安が頭に浮かんだという。ショットに不安を残したまま、スタート直前までクラブ選択に悩まされたという。1番ホールティーショットは、ゴルフのバロメーターでもあるので、より慎重に考えるという。「毎回1番のティーショットは刻んでいましたが、今回は結局悩んだ結果ドライバーを選択したんですよ。それがすっごくいい当たりで」と胸をなでおろした。スタートホールでバーディーと好発進を機に、チャンスホールが続き、8、9番でバーディーをさらにスコアを伸ばすことに成功。
後半スタートの10番で4メートルを沈め、11番パー5では得意の40ヤードからピンにしっかり寄せてここまで4連続バーディーと猛追。ティーショットはドライバー、スプーンを使い分けながら、自分のリズムでスコアを伸ばし、途中2つのボギーを挟みながらも、最終18番ホールでは2.5メートルをきっちりと沈め、67ストローク、5アンダーは4位と首位3打差。優勝争いに加わることができた。
「とにかく落ち着いてできました。明日も落ち着いてやれば大丈夫」と、飯島は残り1日を見据える。「落ち着いてやる」と決めた飯島の決めごともある。「谷口徹さんからパッティングの時に『雑念は消せ』とアドバイスをもらったんです。パットキングからのひとことは、すごく有難いですよ」と先輩プロからの後ろ盾も力になる。
「もう、賞金シードをかけてお尻には火がついてるから、やることは見えています」とまずは自分のゴルフをやり遂げると飯島は誓った。