国内シニアツアー「ファンケルクラシック」は最終ラウンドを残すのみ。前年覇者の宮本勝昌がトータル9アンダーでトップ、片山晋呉がトータル8アンダー・2位につけ、2人は昨年同様に最終日最終組に名を連ねた。そして、トータル6アンダー・3位タイの古庄紀彦(ふるしょう・のりひこ)が最終組の残り1枠に滑り込んでいる。
古庄は東京都足立区出身で、9月26日に50歳の誕生日を迎えたばかり。今年3月に行われた「PGAシニアツアー予選会・最終予選」ではQTランキング26位に入り、10月から晴れてシニアツアーに参戦しているルーキーだ。
QTランキング26位は出られる試合と出られない試合がある。今大会には104名のシニアプロがエントリーしたチューズデートーナメントを2位で通過し、7枠しかない本戦の出場権を手に入れた。次週の「福岡シニアオープン」の出場は不透明で、2週後の「コスモヘルスカップ」と最終戦の「いわさき白露シニア」には出場できる見込みとなっている。
2日目は日大の2つ先輩である片山晋呉と同組でラウンド。試合で一緒に回るのは「学生以来」だという。「こんな場所でまさか回れるとは思いませんでした。今日は胸を借りるつもりでプレーして、やっぱりさすがでしたね。あそこを狙って打っているなっていうターゲット感がすごくシャープで、その辺が一枚も二枚も上でした。パットが入れば良いスコアがでるんだろうなっていう感じですね」と、レギュラー時代、賞金王に5度輝いた技術に感銘を受けた。だからといって、古庄もまったく気後れはしていない。「僕はあの辺にいけばいいかなという感じ」と片山とのショットの差を口にしながらも、4つのバーディを奪って初日の10位タイから3位タイまで順位を上げた。
シニアツアーは2週前の「日本プロゴルフシニア選手権」(20位タイ)、前週の「トラストグループカップ 佐世保シニアオープン」(17位タイ)に続いて、今大会で3試合目。「レギュラー時代よりも距離が短いですし、ボギーを打ってもそんなに焦ることなく、またバーディも来るだろうと気持ち的にゆとりを持ってできている」。
レギュラー時代は2009年の「セガサミーカップ」の22位タイが最高位で、トップ10に入った経験はないが、シニアでは戦える手応えを感じている。「プロゴルファー仲間や応援してくれる人に、『お前はシニアに行ったら絶対にやれるよ』ってやたら言われるので、勘違いしてそういう気持ちでは挑んでいます」と、白い歯をこぼす。
日大を出た後は、茨城県の筑波カントリークラブで腕を磨き、28歳でプロテストに合格した。現在も筑波カントリークラブに所属し、クラブプロとしてお客さんにレッスンをしながら生活を送っている。チューズデートーナメントの翌水曜日には、「いつもやっていただいているので」と、筑波CCに戻ってラウンドレッスンを行い、再び静岡まで走って初日を迎えた。
最終日は日大の偉大なる先輩2人、片山と昨季のシニア賞金王・宮本との最終組。「ヤバいですね。全く知らない方々ではないので」と少し慌てながら噛み気味に話す。そして、「粗相がないように。プレーはもちろんプレーでちゃんとやります。こういう位置で迎えられることを楽しめたら最高だなと思います」と、50歳で訪れたツアーでの初めての最終日最終組に心を踊らせる。シニアで戦えそうな“予感”を“確信”に変える一週間になるだろうか。