開催時期を夏から秋にシフトした「ファンケルクラシック」の第1ラウンド。6アンダー首位タイに前年覇者の宮本勝昌、深堀圭一郎、平塚哲二が並んだ。1打差の4位には矢澤直樹、太田祐一、歴代チャンピオンのプラヤド・マークセン、そしてこの日アルバトロスを達成した清水洋一が続く。さらに1打差4アンダー8位には髙橋朋範、リチャード・テイトの2名。アマチュアで出場している大会名誉顧問で前巨人軍監督の原辰徳は8オーバーで75位タイで初日を終えている。
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今季は8試合の出場で、トップ10が開幕戦の4位タイ1度だけと、思い通りのプレーができていなかった深堀圭一郎。「ファンケルクラシック」の初日は6バーディ・ボギーなしの「66」をマークして、前年覇者の宮本勝昌、平塚哲二と6アンダーで並び、首位タイ発進を決めた。
これまでの不調の理由には「ショットの不安定さ」を挙げる。本人が「僕はどちらかというとアイアンプレーヤー」というように、レギュラーツアー時代から切れ味鋭いアイアンショットを武器に勝利を重ねてきた。「本当ならアイアンで5メートルについているのがミスして10メートルになって、ちょっとこうボディブローみたいな感じで、パッティングが受け身になっていた」と、自己分析する。
好転のきっかけとなったのはアイアンの変更。2週前の「日本プロゴルフシニア選手権」の2日目からキャロウェイ『X PROTOTYPE』を投入した。「アイアンでリズムを作りながらというプレーが多いんですけど、ちょっと不安があった。僕の場合はフェース長が長過ぎるとかぶって見えてしまう。新アイアンはフェース長が短くなって真っすぐ構えやすくなった。重心距離が短いぶんだけ、自分でコントロールしやすい」。
これまで成績が出ていなかったこともあり、思い切ってアイアンを交換したところ、日本プロシニアの最終日には3試合ぶりに60台を出すなど、成績が上向きだした。今大会でも「4番のパー3では手前7、8メートルでしたけど思い通りに打てたり、10番のパー5では残り210ヤードのセカンドショットを5番アイアンで本当にいい球が打てた」と、4番ホールでは1パットで沈めてバーディ、10番ホールでは2オンさせて、きっちり2パットでバーディを奪うなど、アイアンのフィーリングはいい。
また、今大会では特に455ヤード設定の14番パー4を苦手にしていたが、昨年までの8月開催から10月開催に変更されたことで、文字通り風向きが変わった。「14番でけっこうつまづいて、あそこで崩れることが多かった。それが今日はティが1つ前に出て、少し追い風だった。3日間で2オーバー、下手すると3オーバーになることもあるので、今日は上手くいきました」と、鬼門をパーで切り抜けて、終盤の16番パー4のバーディにつなげたのだった。
今大会の主催は、無添加化粧品やサプリメントを販売するファンケルということで、日頃から行っているお肌のケアについても聞くと、「昔から定期的にビタミンとか洗顔とか、良質なタンパク質と水分を摂るようにしてきた」と教えてくれた。続けて、「もう56歳なので無理にハタチ面したらカッコ悪い。年相応に良い老け方をしていければと思っています。汚い肌や不潔なのはみんな嫌でしょ? ファンケルさんが意識高く活動してくださっているのは感謝しています」とコメントした。
静岡決戦は残り2日間。22年9月の「コマツオープン」を最後に優勝からは遠ざかっている。「みんな良いスコアですから、伸ばし合いだと思うので楽しくやります」と、シニア3勝目へ美ショットと美肌を維持して突き進む。