今年のシニアプロ日本一を決める『第63回日本プロゴルフシニア選手権大会 TSUBURAYA FIELDS HOLDINGS ULTRAMAN CUP』の第3ラウンドは、首位6アンダーからスタートした増田伸洋(51)が68で回りトータル10アンダーまでスコアを伸ばして単独トップに立ち、完全Vにリーチをかけた。首位2打差2位に手嶋多一(55)、さらに1打差7アンダー3位タイに宮本勝昌(52)、ジーブ・ミルカ・シン(51)、首位と4打差の5位にはプロシニア歴代覇者(16年、22年)であるプラヤド・マークセン(58)が続く。大会ホストプロの片山晋呉(51)はイーブンパーとスコアを伸ばせずに2アンダー14位タイにとどまった。
レギュラー6勝、シニア通算22勝と最多勝利数の記録を持つ、タイ出身のプラヤド・マークセン(58)が首位と4打差、逆転優勝のチャンスを伺っている。3アンダー12位からスタートしたマークセンは、2番でチップインバーディを仕留めると、5、8番ではそれぞれ1メートルのバーディパットを沈めて前半で3つスコアを伸ばす。
後半は雨風に加え冷たい空気が流れ込み、全体のスコアが伸び悩んだが「今日は風や雨も強くて流れ流れでやりましたから、この3アンダーは上出来です」と振り返り、フィニッシングホールのボギーも「強いアゲンストの風で距離も残ったので、ぜんぜん足りないくらい。コンディションが悪い中でしたから、この成績は上出来です」と穏やかな口調で振り返った。
マークセンは試合中になるときりりとした表情を見せ、パッティングが決まらなかったりすると悔しがる表情を見せるときもあるが、プレー以外ではいつも穏やかなビックスマイルで周囲を魅了する。オンオフの切り替えは上手で、最近のリラックス法を聞くと「早寝早起きにつきますね」と明かす。夜は8時30分に就寝して、朝3時に起床。お目覚め後は時間をかけてストレッチすることが、リラックスだという。「優勝はもちろん狙いたいですけど、誰にでもチャンスがあると思う成績です。まずはリラックスすることが大事ですから、いつも通りやりますよ」。
大会初日から3日目まで、目まぐるしく天気が変わった今年のプロシニア。今季未勝利のマークセンだが、お世話になっている人が多い茨城で吉報を届けたいことも確か。ウルトラマンが初登場した1966年にマークセンは誕生していることも、この大会との何かのめぐりあわせだろうか。マークセンの最終ラウンドにも注目が集まる。