日大ゴルフ部出身の54歳・堺谷和将がボギーなしの4バーディを奪い「68」をマーク。今季初の首位発進となった。今年は「倉本昌弘 INVITATIONAL 第1回EAGLE CUP シニアオープンチャリティートーナメント」で2日目に「65」とビッグスコアを叩き出し、4位タイの成績を残している。
この日のラウンドは10番からのスタート。「すごく長いのがたくさん入っちゃっただけ」とパッティングが噛み合い波に乗り、前半9ホールだけで4つスコアを伸ばした。「いつもだったら絶対に入らない。朝から3パットとかいつもやってしまう距離が入っちゃったから。10メートル近いのがドーンって入って。それでなんかね、調子に乗っちゃった感じ。それで途中スコアが気になってから緊張してきちゃって(笑)」と後半はスコアを意識してしまい“守り”のゴルフとなり、すべてパーを並べることとなった。
「途中から本当、緊張しちゃったんだよな」と肩を落とす。4アンダーまでスコアを伸ばすと目に止まったのはリーダーボード。「見ちゃったんだよね。あれから少しおかしいんだよね。安全ゴルフになっちゃったんだよな」と緊張心から前半で決められていたパッティングが入らなくなった。「緊張しちゃっているってなって、宮本(勝昌)大爆笑していたよ」と同組で日大時代の後輩・宮本勝昌とのプチエピソードも明かす。
この日のグルーピングは前年覇者のタマヌーン・スリロット(タイ)と桑原克典、昨季シニアツアーで賞金王に輝き、今季2勝を挙げている宮本とだった。「リラックスムードでやりたいじゃない」と緊張を多少感じる組合せに入り苦笑い。そんななかでプレーしたきょうのゴルフは「200点」と満足度は高かった。「最初のうちはね。続かないのがゴルフなので。もうよく知っています」とベテランの言葉は説得力がある。ゴルフはなにが起こるかわからない。きょうよくても次の日の予測すらできない。「明日は笑ってくださいね」と言い、報道陣の笑いを誘った。
今季15回のラウンドでパーオン率は『77.78%』の3位タイとショットメーカーと言っても過言ではない。この日の要因・パッティングが花を咲かせ好スコアにつながった。パーオン率が高い理由に「アプローチが苦手だから、(グリーンを)外してしまうとボギーになるのはわかっているから。広いところを狙っている」と自己分析。弱点を理解しつつ狙うショットが安定感へつながっているようだ。
2日目もその意識でグリーンを捉えて、気負うことなく平常心でパッティングをすれば好位置をキープできる。しかし、これまでのプロ生活のなかで苦い経験もしている堺谷は「続けたいけど続きません。知ってるんです」とあくまで控えめだ。「でも、頑張りますよ」と諦めたわけではない。今大会はプロシニアの日本一を決める大きな大会。「日本タイトルなんか全然、俺には全く似合わないし意識もしてない、関係ない。でも、頑張りたいね。できるだけ上位でね。このままあと3日間同じプレーすれば、まあまあまあ、いいでしょ」と謙虚ながら、コッソリと上位フィニッシュを意識している。
そんな堺谷は「中学生のとき、もう180以上あったから」と身長185センチと生まれながらにして授かった高身長。そして“あること”に真剣に取り組んでいることを明かした。それはボディメイクだ。「大学生のときまでは74キロぐらいだったんだけどね。いまは99キロ。気づいたら103.5キロだった。慌ててこの間から炭水化物食べていない(笑)」と食事制限の真っ最中。ここ1カ月半でなんと「4キロぐらい」減量に成功。「あと5キロぐらい行こうと思って。最初に10キロと思ったんだけど、きついなと思って、5キロ行ったら1回休んで、もう1回5キロ行こうかな」と計画している。
「ゴルフよりもそっちが目標!あと5キロいくよ?」と最後も報道陣を笑いに包んだ。インタビュー中もホールアウトした選手から「ナイスプレー!」と声をかけられる姿があり人気者な堺谷。2日目はリーダーボードを気にしすぎず、自身のパフォーマンスを発揮していきたい。