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【日本GGユニテックス杯/前日】68歳以上のゴールド選手たちの健康の秘訣とは? 出場最高齢84歳の古市忠夫が続ける「夜のゴミ拾い」の深いい話

2024年09月26日
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「日本プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権~ユニテックスHDカップ2024~」が兵庫県の宝塚クラシックゴルフ倶楽部で927日、28日の2日間の日程で行われる。公式戦優勝者、シニアツアー賞金王、シニアツアー3勝以上を挙げている者、シニアツアーシード選手や、関東・関西の予選会を勝ち抜いてきた選手など総勢128名が出場する。

昨年大会では68歳以上のゴールドの部は室田淳(69)、60歳以上のグランドの部では久保勝美(61)が優勝。今年もゴールドの部には出場最高齢84歳の古市忠夫をはじめ、高橋勝成(74)、尾崎健夫(70)、尾崎直道(68)倉本昌弘(69)といったレジェンドたちが出場する。また、グランドの部では久保、羽川豊(66)、芹澤信雄(64)、井戸木鴻樹(62)、ユニテックス所属のホストプロとして臨む奥田靖己(64)と杉原敏一(60)らが技を競い合う。賞金総額は昨年より500万円増額のされた2500万円で、ゴールド優勝賞金は180万円、グランド優勝賞金は270万円となっている。

開幕前日の練習日に驚かされるのは、68歳以上のゴールドの部に出場する選手たちの若々しさ。背筋はピンと伸び、キレのいいドライバーショットを放つ。そして、長年競い合ってきたライバルたちとゴルフができる喜びの笑顔が浮かぶ。健康の秘訣は何なのか聞いてみた。


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今年も最年長出場は古市。54歳のときに阪神・淡路大震災に遭い、自宅と経営していたカメラ店が全焼したことが転機となってプロゴルファーを目指し、59歳でPGAプロテストに合格した男は、今月22日で84歳になった。「ことわざに『腹八分目に医者いらず、腹満腹に医者足らず』っていうのがあるように、心がけているのは腹八分目、暴飲暴食をしない。当たり前のことやな」。古市は65歳のときに体重が85キロまで増えて、試合を棄権したことがある。医者の診断は「肥えすぎ」。そこから約20年間は朝食を抜いて12食の生活を続けている。お酒は飲んでも「缶ビール2本くらい」だという。

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また、逆流性食道炎になったのをきっかけに、夜ご飯のあと、散歩を兼ねてゴミ拾いを始めた。食べてすぐ寝るのが良くないからだ。「貝原益軒さんの『養生訓』(江戸時代のベストセラー)に食後は5丁から6丁(約500600メートル)歩きなさいと書いてあった。でも歩くだけじゃいかんということで、通学路を掃除してる。歩くのもゴミ拾いも一緒だからな。それが大体1キロ~1キロ半くらいで毎晩8時くらいからやっている。寝るのは9時半頃で10時には寝る。朝は5時半に起きて通学路の旗振りせなあかんから」。

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このゴミ拾いには食べたものが逆流を防ぐ以外の意味もある。「ものすごい清々しい気持ちになる。皆さんは『健康な身体に健全な精神が宿る』というけど、俺は逆。健全な精神に健康な身体が宿る。清々しく若々しくフレッシュな心にしとったら肉体も青春や。俺はそう思っている」。そう話す目は輝いていて、とても84歳には見えない。「暇さえあれば本ばっかり読んでいる」と好奇心にも溢れている。

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大会2番目の年長者は81歳の小川清二。やはり健康の秘訣は散歩だ。「朝早く起きてニワトリを起こしながら4050分歩いている。7000歩くらいかな」。お酒は飲まないものの、若いときからタバコは吸い続けている。さらに、散歩とともに日課にしているのは庭の手入れ。庭といっても那須にある自宅にある2000坪の広大な芝生だ。およそサッカーグラウンドくらいの広さがある。

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「グリーンモアで芝を刈ると40分はかかる。それから外回りの草刈りをする。そうしたらすぐお昼になっちゃう。芝は全部コーライにして、4ミリに刈っていて、練習場もパッティンググリーンもあります」。写真を見せてもらうと、よく手入れされたきれいな芝生が広がっている。そこには、一人乗りの電動カートに乗る妻の姿も。「うちのかみさんは脳出血で倒れて、外に出られないから、庭をカートでグルグル回っている」。庭を毎日手入れしてきれいにするのは、そんな理由もありそうだ。

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大会3番目の年長者はレギュラーツアーで「日本オープン」を含む5勝を挙げている78歳の矢部昭。練習ラウンドは小川と2人で回っていた。「健康の秘訣は何もない。2人の共通点は酒を飲まないこと。2人で食事に行くとコーラを飲んでいる」と話す。そして、「健康目的ではない」と前置きしつつ、「1時間くらい走ったり歩いたりしている」と、毎日のように足腰には刺激を入れている。それ以外のときは「木工大工さん」。そういって自宅のウッドデッキを解体して、新しく木材を組んで塗装していくまでの写真を見せてくれた。その写真の間には小さい孫の姿もあった。ゴルフと大工以外の楽しみも矢部にはある。

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大会特別協賛のユニテックスが持つ関空クラシックゴルフ倶楽部に所属する中尾豊健は、7月で73歳になった。レギュラー時代には中嶋常幸をプレーオフで下して1勝を挙げている。中尾にとってはゴルフこそが健康の秘訣のようだ。「土日は大体ラウンド。練習場は週45回行く」と、ほぼ毎日のようにボールを打って過ごす。本人は「昔からそのまんまで変わったことはしていない。ゴルフをしているくらいで趣味は何もないのよ」と白い歯を見せる。ホストとして迎える大会には「怪我なく無事に終わってくれたらいい」と、ゴルフができる日常に満足している。

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今年で72歳になる初見充宣は、関東グランド、日本グランド、関東ゴールド、日本ゴールドと4冠を達成している。「前に獲った人はみんな死んでるんだって(笑)」。現存している4冠保持者は初見だけだ。健康の秘訣については「やっぱりプロのみんなとまだゴルフがしたい」と、ゴルフ自体がモチベーションとなっている。そのために「朝は軽くでもいいから最低でも12キロ歩く」というのが朝食前の日課だ。続けて「朝早く起きると空もきれいだし、健康的で気持ちもいい」と話す。所属する立科ゴルフ倶楽部では「最低でも月に10ラウンド」と、中尾同様にゴルフが健康の秘訣となっている。

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最後は55歳のときに食道ガンを患って大手術を経験した須貝昇。10月で75歳となる。「毎日欠かさず腕立てとかスクワットとか、身体が衰えないようにいろんなところを使ってあげる」と自重での筋トレが日課だ。「身体の中が故障しっぱなしだから、せめて外だけは故障しないように」。その精悍な顔つきと締まった身体はまったく年齢を感じさせない。

68歳から84歳までが出場するゴールドの部は、優勝争いとは違ったゴルフができる喜びや楽しさを感じる試合となりそうだ。

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