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シニアツアー

〔日本シニアオープン/FR〕「日本」タイトルをかけて優勝争いを演じた6人の攻防戦、スリリングなゲームの行方

2024年09月15日
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今年のシニアゴルファーナンバーワンを決める大会の最終ラウンドは、ラスト3組の戦いにフォーカスが充てられた。ナショナルオープンのタイトルをかけて、シニアプロ真剣勝負の火ぶたが切られた。

 ラスト3組を戦うメンバーを紹介すると、

7アンダー首位グループにIJ・ジャン(51)、横尾要(52)、崔虎星(50
6アンダー4位グループに片山晋呉(51)、増田伸洋(51)、タマヌーン・スリロット(55

とベテランプロが1打を争う攻防戦。バーディーを狙う一方で、どうやってスコアを落とさないよう凌いでいくのかという、スリリングなゲームが幕を開けた。

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1打差は「互角」。バーディー・ボギーで順位が一気に逆転する。フロントナインで主役の座を奪ったのは7アンダーでスタートした横尾要。4番からの3連続バーディーを含み、一度は10アンダーまでスコアを伸ばして、このまま独走かもしれないと期待もよぎった。

 横尾の2組前をプレーするスリロットが9、10番で渾身の連続バーディーを決め9アンダーまで浮上。横尾が9番をボギーにしてしまい、トップは9アンダーで並ぶことになった。

 優勝争いに加わっていた6アンダーグループの片山晋呉と増田伸洋はスコアを伸ばせずに苦しんでいた。片山の前半は一筋のパッティングがきまらず、流れを掴めずにいた。増田は取って・落として・取ってと、チャンスを作ろうと果敢に攻めたが、前半欲しかった4番と9番を決められずパーとし、状況は拮抗したまま後半戦へ向かった。

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増田は10番のティーショットで右サイドを警戒しすぎてしまい左の林ラフへ打ち込んでしまいボギーに。11番もティーショットを左ラフへ入れてしまい連続ボギーとスコアを落とした。片山は9、10番を連続バーディー、11番ボギー。それでも12番で長めのバーディーを沈め8アンダーまで積み上げる。攻守の駆け引きが続く。 

ここで片山は順位ボードを目にして「首位と1打差」という状況を知る。増田は5アンダー「首位と4打差」と焦りも生じてきた。暑さに加え、吹き抜ける強い熱風が、選手の判断を妨げる。片山はティーショットをフェアウェイに落とせないようになってきた。長く深いラフに入れてしまうとコントロールが全く効かない。片山は14、15番でボギー、ダブルボギー。増田も13、14番でボギー、ダブルボギーの洗礼を受け、優勝戦線から脱落した。

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 後半10番ホールをバーディーでスタートし9アンダーでトップについたスリロット。ショットが左右に定まらないまま、なんとかしのぎ続けた、しかし16番ホールでティーショットを大きくまげて隣の17番ホールへ。一度ラフに捕まったショットはラフからラフ、さらにラフへ。このホールは「7」「トリプルボギー」と急転直下。6アンダーまで落としてしまった。誰に勝機があるのか、まだわからない。

 ベテラン選手に求められたバックナインでの我慢比べ。これまでじっとしていたジャンが13番でバーディー、同組の横尾が13番ボギー。ひとつ選択を間違えれば、ボギー以上のペナルティーと隣り合わせのコースセッティングに、ベテラン選手でも余裕がない。一方で、スコアが動かずそれまで眠っていた虎さんこと崔虎星が15、16番で連続バーディー、通算9アンダーとスコアを伸ばし最後の最後で優勝争いに加わってきた。崔は残り2ホール、完全優勝も見えてきた。

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崔は第3ラウンドの18番ホールでダブルボギーを叩いていたことが大きなストレスでもあった。だから最終日は同じホールで当然リベンジしたい気持ちが強かった。最終ラウンドは丁寧にパーで切り抜けることに成功。虎さんが日本シニアオープン初出場でシニア初優勝、それも完全優勝というおまけ付きとなった。

 崔に優勝が渡ってしまったが、最後の最後まで実力伯仲した主役級シニアプレーヤーたちの健闘をそれぞれのコメントで伝える。

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2位(―8)I・J・ジャン

最終日はちょっとプレー展開としては難しかった。後半から流れは良くなったんですけど、16番で(バーディーパットを)外してから、それが次のボギーになって残念です。(今日難しかったというのは?)今日結構ラフに入った。チャンスがなかなか来なかった。

16番でトップに立ったことはわかっていました。それでちょっとプレッシャーになった。これから残っている試合はいっぱいあるから、頑張って自分のプレーすればまたチャンスがくるはずです。

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3位(―7)横尾要

  前半3連続バーディーと、いい感じでゴルフをしていたのですが、4つ目のチャンスを逃して止まっちゃったかなという感じですね。でも内容はすごく良かった。前半は普段通りの、普段以上のゴルフができました。僕自身バックナイン勝負だと思っていたので。もうちょっとバックナインで頑張れればね。それはうまくいかないですね。

3位で終われたし、これでシードも決まったし、安心です。楽しめました。

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 5位(―5)片山晋呉

 あと一筋というのが続きましたね。

連続バーディーもありましたけど、ダメでしたね...

原因がわかったら、出来ていると思うので、できないと言うことはまだまだと言うことです。12番でバーディー獲ってから、13番のリーダーボードで状況が見えたんだよね。で、1打差か2打差かと思って、行ったんですけどね。そうですね、良く完走しました。

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8位(―2)増田伸洋 

朝スタート前に千葉CCの大先輩横島由一プロから「じっとしてろ、じっとしてろ」って言葉をかけてもらえました。だけどスタート1番でバーディーを獲ってから、ソワソワしたのかな・・・。気持ちだけでプレーして、じっとしていなかったのかもしれない。

やりきりました。・・・そうですね、ゴルフの神様が、メジャーで勝つのはまだまだ早いっていうことなんですね(笑)。

川間でシニアオープンの開催がきまって、昨年出場を決めてから、この大会に向けて調整してきました。だから自分の中では合格にしておきます。何度もピンチがきて、息子(康輔さん)と乗り切りましたよ。だけど息子には「練習しろー」って言われましたしね、今年のシニアツアーどこかでまた良い結果を出したいです。お世話になった千葉CCみなさんに応援ももらいましたが、少し楽しんでもらえたのであれば、それだけで充分役目を果たしたかなと思います。応援ありがとうございました。

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