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〔日本シニアオープン/前日〕プロゴルファー目指して門を叩いた川間コース、シニアプロとして戻ってきた増田伸洋は「全力で悔いなくやるだけ」

2024年09月11日
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戦いの舞台となる千葉カントリークラブ川間コースで、勝負に強い思いを秘めた選手がいることを忘れてはならない。シニア2シーズン目の増田伸洋、51歳。増田は高校時代にラグビー高校日本代表候補に選抜されるほどの選手として注目されていたが、高校卒業すると、千葉カントリークラブ川間コースの研修生としてプロゴルファーへの道をスタートした。

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ティーアップの仕方、クラブの握り方、ボールのマークといった基本もわからない中、当時所属プロだった郡司洋に従事することになったという。郡司は増田の実家である練習場のオープニングのテープカットをしたという間柄もあり、増田を千葉カントリーで育てることを受け入れてくれた。「当時は千葉北地区の研修会に20人くらいいたかな。そこで研修生も8名くらいいて。その仲間で勝負するようになって必死で練習してました。毎月25日の給料日には集まって精算したりね(笑)」。腕を磨きながら、アジアへと試合勘を求めた時期を経て、研修生7年目でようやくプロ入りを果たすことができた。

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プロゴルファーの偉大さを実感した出来事もあった。「プロテストに合格してから、プロとして千葉の野田コースでプレーしたんですよ。そしたらビジターフィーを請求されてね。郡司プロに相談したら、『待っとけ』って。コースの支配人からフロントスタッフ全員招集して『増田はうちで研修生やってた人間だ。プロになってコースに来てもらって、ビジターフィー取るって何考えてるんだ』って目の前で一喝してくれたんですよ(笑)。それだけ郡司プロには大事に育ててもらっていたし、プロゴルファーという社会的な立場とか関わり方をはっきりと教えてもらいました」。

増田にとっては数えきれないほど思い出のある千葉カントリー。増田がシニア入りしてからこの川間コースでシニアオープン開催が決定。だからなんとしてでも、川間コースに戻って成長した姿を見せたいし、見てもらいたい。それが17年前に亡くなった郡司プロへのはなむけでもある。

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シニアオープン本番に向けて練習ラウンドも重ねてきた。コースを知らない怖さはないが「とにかく距離もそんなにないですし、グリーン周りとグリーン上の勝負かなと。4日間ゲームの組み立てで考えていきたい」とやるべきことは見えている。プロゴルファーを目指している息子・康輔さんをキャディーに起用していることも力になる。「成長をみているのも頼もしいですし、なにかこの試合を通じて感じてもらえたらいいですよね」と父親としてのやさしい表情を浮かべた。

 増田は「全力で悔いなくやりますよ」と、いよいよ迎える初日への思いを言葉にしたためた。

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