今季シニア初の公式戦「日本シニアオープン」が9月12日から15日の4日間、千葉県にある千葉カントリークラブ川間コース(6,811ヤード/パー71)で開催される。富澤誠造設計による川間コースで、戦いの舞台は27ホールの内、東4ホール、西5ホール、南9ホールをピックアップして18ホールのドラマに仕立てている。
コースの開場は1975年。梅郷、野田、川間と3コースを運営し、これまで日本オープン、日本女子オープンと開催していることから、この度川間で日本シニアオープンの試合を行うことで、すべてのナショナルオープンを経験することになる。大会は126名が参加し、プロ116名、アマチュア10名によって競われる。
前年覇者として注目される藤田寛之は、練習ラウンドを終え、現在の心境を言葉に表した。
「今シーズンあまりいいスコアを出せていないので、自信も少ないんですよ。ようやく直近ではベスト 10、ベスト 5 と上がっているので少しずつ良くなってきていると信じたいです」。シニアは全13試合中6戦を終えたところで藤田は15位。決して悪くはないが良くもない順位というところ。それでも今シーズンはレギュラーにも5戦出場。海外シニアメジャーにもチャレンジし、全米シニアオープンでは優勝争いを演じてきた。今年はまだ国内の成績が伴わないだけで、シニア入りして6年目を迎え、ゴルフもますます輝きを放っている姿を披露してくれる。
今はどの試合にも全力を尽くすのみ。だから大会連覇ということにもこだわらない。「狙って勝てるほど自分に力があるとは思わないし、かといって一生懸命やってもそこ届かないかというとそうでもないし。ただ、自分がやれることをベスト尽くしてみて、2連覇を考えるのは最終日で充分かな」と状況を見定めている。
プレー以外にも気に掛けないといけないのが「暑さ対策」だ。大会前日、コースは35度にも達し、照り返しや湿度の高さにさすがのシニア選手も「やばいよ」を口に出す。厳しい残暑の中で4日間のプレーは、気力体力勝負に加え「暑さマネジメント」が必要になってくる。藤田はJGAで着用が認められている「短パン」に加え、これまで登場回数が少なかった「日傘」「氷嚢」を効率よく使うことにしたようだ。「体力が奪われてしまいますからね、身体に熱がこもらないようにできることをしないと」とこの川間コースの暑さに警戒している。
「僕の場合不整脈もあるので寝不足にはならないように、できるかぎり生活のリズムを気に掛けるようにしています。とにかく食事も睡眠も含めて、今週はベストな状態を探ります」とゴルフ以外にも気にかけることも多い。それでも注目の集まるディフェンディングチャンピオンの挑戦。藤田は最大のパフォーマンスを引き出せるよう、万全の準備を整えるだけだ。