国内シニアツアー「コマツオープン」は2日目の競技が終了。トップはトータル10アンダーで片山晋呉、プラヤド・マークセン(タイ)、平塚哲二の3人が並んだ。1打差のトータル9アンダー・4位に兼本貴司が続き、今大会がシニアデビュー戦となる上田諭尉が片山と並ぶこの日のベストスコア「64」で一気に8つ伸ばし、トータル8アンダーで5位タイまで浮上してきた。
初日は「曲がりまくって拾いまくった」と荒れるショットに苦しみ、イーブンパーは37位タイで発進。今日の2日目は「ショットが良くて、フェアウェイキープできた」と、1番ホールからのトップスタートでいきなり5連続バーディを奪うと、9番では13メートルをねじ込んで前半を「30」で折り返す。後半は暑さもあって「足が動かなくなった」と少しショットが乱れたが、11番、18番とバーディを重ね、ボギーフリーで一日を締めくくった。
「パターがよく入りましたけど、10番では1メートルのバーディパットを外しているし、14番パー5では2オンしながら3パットした。長いやつが入って短いのを外してチャラですね」と振り返る。
トップスタートの上田がホールアウトした時点では、トータル8アンダーは1位タイだったが、並んでいた片山、平塚、兼本はまだ多くのホールを残していた。「10アンダーくらい行っておかないと…いやでも昨日パープレーで一日10アンダーはちょっと厳しいか(笑)」と一人で突っ込む。そして「(一日)8アンダーでもノーボギーだし100点です」と納得する。
また、昨季の賞金王で今年も賞金ランキングトップを走る宮本勝昌と、この2日目に同組で回ったことも刺激になっている。「ミスってもナイスショットでもリズムが全部一緒。本人の中でミスショットだったかもしれないけど、僕からしたら全然ミスになっていない。それくらいミスの幅が狭い。やっぱり賞金ランキング1位の人は上手いな」。今日のスコアだけでは勝っているが、キング宮本のゴルフの内容には舌を巻く。
ドライバーの飛距離自体は「飛んで300ヤードくらい」と同じくらいだったが、「こっちはバテると落ちてくるけど、あの人はずっと一緒」と、一日を通した安定感に差を感じた。
明日の最終日は最終組の1つ前から逆転を狙う。もし優勝すれば、2019年「金秀シニア 沖縄オープン」の手嶋多一以来となるツアー史上12人目のデビュー戦Vとなる。「順位とかじゃなくて、自分でやってきたことが明日できるかどうか。それができれば今日みたいに結果がついてくる。優勝しますって言って優勝できたらかっこいいけど、そんな簡単ではない。球打ちのオタクが集まっていますからね。ちょっとでも上に行ければいい」。
言っていること自体は控えめだが、その目はキラキラしている。デビュー戦Vどころか藤田寛之も宮本勝昌も、そして片山晋呉もルーキーイヤーには勝てなかった。明るいキャラクターと豪快なショットでその壁を打ち破りたい。