国内シニアツアーの第6戦「コマツオープン」初日のラウンドが終了。1イーグル・4バーディ・ボギーなしの「66」をマークした平塚哲二が、6アンダーで単独首位発進を決めた。1打差の5アンダー・2位にソク・ジョンユル(韓国)、4アンダー・3位タイグループで歴代覇者のプラヤド・マークセン(タイ)、寺西明、横田真一、兼本貴司、塚田好宣、内田勝也、渡部光洋の7人が追う。
昨年大会では3日間「74」「72」「73」と一度もアンダーパーがなく、トータル3オーバー・63位タイに沈んだ平塚。「両サイドにペナルティゾーンがあるので、ティショットでちょっと曲がったら『あー』っていう(笑)。毎年OBばっかり打っています。今日は暫定球を打たずにスーッと来ていたんです。だけど最後の最後、18番で右に打って暫定球を打ちました。セーフでしたけどね」。
この小松カントリークラブは左がOBで右が崖のようなホールが多く、狙い所が狭い。少しでもティショットを曲げれば、ボギーやダブルボギーを簡単に叩いてしまう。だからティショットをポイントに挙げる選手が多い。
平塚はこれまでの反省を踏まえて今年は攻め方を変えている。それが表れたのが5番パー5でのイーグル。573ヤードの設定だが右にドッグレッグしており、右のフェアウェイバンカーを越えることができれば2オンも可能なホールだ。ところが平塚は3番ウッドで刻みを選択、3打目勝負で残り76ヤードを58度のウェッジで打ち、バックスピンで戻して直接入れたのだ。
「5番はドライバーでパチッと打って2オンを狙いたいんですけど、右のバンカーを越えるのは当たってやっとという感じ。左に曲がると打てないところに行ってしまうので刻みました」と、理由を明かす。全体的にドライバーを持つ回数を減らして刻む作戦がハマっている。「スコアじゃなくてティショット(笑)。ティショットでフェアウェイをどれだけ捉えられるか。それができれば飛ばさなくてもスコアも伸びてくると思うんです」と、あすも変わらず同じ作戦で臨む。
また、きょうは選手全員が今年元旦に起こった能登半島地震の復興を願い、『We Support Ishikawa』と書かれたステッカーをキャップやウェア身に付けてプレーした。京都に住む平塚は1995年に阪神・淡路大震災を経験している。
「あの時は京都にいてめちゃくちゃ揺れました。アジアンツアーの予選会に行く朝だったんですけど、交通機関が全部止まって行けなかったんです。僕の知り合いがけっこう神戸に住んでいたので、一週間後くらいに会いに行きましたね。家が半分ポシャンとなっていて、必要な物を持っていったのを覚えています」
また、昨年の「日本シニアオープン」は同じ石川県の「能登カントリークラブ
日本海・はまなすコース」で開催されていて、「訪れたばっかりだったので、思い入れもあります」と平塚は話す。そして、「ここに観に来てくれているギャラリーの皆さんに元気を与えられるように、にこやかに挨拶を返したりしてやっていきたい」と、2日目以降も自分のプレーが活力となるように努めていく。