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【最終プロテスト/FR】試合とは違うプロテスト。合格ラインに滑り込んだ岩井悠真の就職先は念願だった「プロゴルファー」

2024年08月30日
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第1ラウンド「72」、第2ラウンド「76」と、トータル6オーバーから第3ラウンドをスタートした岩井悠真(21歳・日本大学)が、合格までの2ラウンドを「70」「70」とアンダーパーで回りきり、ガッツと我慢で合格ラインに滑り込んだ。

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初日から忍耐を強いられた。岐阜出身の岩井は片山津・白山コースで行われた5月の中部アマチュアゴルフ選手権で5位に入る健闘を見せ「プロテストでもいける」と自信を深めていた。ところが8月の片山津はコースコンディションが違うことに気が付いた。「雨も多かったので、グリーンスピードが5月とは違うな」と頭を抱えていた。

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プロテスト初日からショットは良かったが、パッティングが打ち切れない。「僕はパッティングをジャストタッチで決めるタイプなので、この時期のグリーンタッチがつかめなかった」と苦しみが始まった。36ホールを終えて70位タイ。岩井の母・深雪さんはいてもたってもいられず、岐阜から第3ラウンドの朝応援に駆け付けた。応援といっても、テストということもありコース内への立ち入りは禁止。スタートを見送り、ホールアウトをひたすら待った。

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第3ラウンドは28ホール目でようやく初バーディー。この日、岩井は大事な1打を守り切った。少し調子を取り戻した様子だったので深雪さんは帰ろうとしたが「父親が最後まで見届けてもらいたい」とリクエストしたので、最終ラウンドもコースに応援に来ることになったという。

母が見守る最終ラウンドのスタート1番ホール。岩井はバーディー発進を決めたが、2番でボギー。なかなかチャンスも作れない我慢のゴルフが続いた。「バーディーを獲りにいきたかったですけど、ここは試合じゃなくテストなんだと思い、全部パーでいい」と自分に言い聞かせ、冷静さを保つことに必死だった。

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難易度の高い8番は岩井の苦手なホール。ここをパーで凌ぎ、前半をイーブンとした。後半は難易度の高い14、15番が待っているが、ここもパーセーブに成功。16番ではバーディーを獲り、これまで我慢を続けたご褒美がやってきた。最終ラウンドは1つスコアを伸ばせただけだったが、合格ラインに滑り込むことができたのだった。

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プロテストは2回目の受験。1回目は2020年の玄海で合格まで4打足りなかった。「このときは高校3年だったのですが、実力が足りないことを知り、次の受験はゴルフの精度を上げてからにしよう」と心に決めた。日本大学に進学し、プロを目指す仲間と日々技術の研鑽に励んだ。大学4年になり、プロテストの受験を決心。プレ予選から最終まで進出することができたが「親にはこれ以上負担をかけたくない」という一心で、この4日間に向き合った。

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「今回は母が駆けつけてくれて心配もかけましたが、これで来年から親孝行ができます」とトレードマークの笑顔も光る。「親には感謝の気持ちで一杯です。在学中は心配をかけていますが、親身になって応援してくれる。プロゴルファーという就職先も決まったので、安心してくれるといいですね」と前を向く。

目標は「みんなから愛されるプロになりたい。そのためにはいつでも笑顔でいることですよね」と岩井は頬を緩ませた。大学生最後の年になるが、秋の国体出場まで今秋は過密スケジュールも待っている。「良い結果を出してきます」と口元を引き締めた。

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