「PGA資格認定プロテスト 最終プロテスト」の第2ラウンドが、石川県にある片山津ゴルフ倶楽部白山コース(7,023ヤード/パー71)で8月28日に行われた。前日深夜には加賀・小松地域に土砂災害警戒情報が発表されるほど強烈な雨(30mm/h)がコースに降り注いだ。第2ラウンド朝には雨雲は消えたが、湿度が高く厳しい蒸し暑さが続いた。
コースに降り注いだ雨量について飯田雅樹競技委員長は「雨水はだいぶ引きました。バンカーが崩れて流れ出したので、流水後は修理地扱いということで対応することにしました」と状況を説明。また「グリーンの形状は砲台型にしては小さいので、それも難易度を高くしています」とチャンピオンコースの難しさを伝えてくれた。
首位にたったのは6バーディー・ボギーフリーのラウンドを達成した山下勝将(21歳・近畿大学)。「65」をマークし通算7アンダーで単独首位に浮上した。2打差5アンダー2位には長野京介(23歳・サンコーCC)、4アンダー3位には初日トップスタートの中村聡泰(23歳・宝塚GC)、清水大翔(22歳・中部学院大学)、木本大志(23歳・フリー)と続く。
2022年のABEMAツアー「ダンロップフェニックスチャレンジin ふくしま」でアマチュア優勝や、関西アマチュアゴルフ選手権3連覇、今年の関西学生優勝など輝かしいタイトルを獲得し、JGAナショナルメンバーとしても腕を磨いている山下勝将(21)が第2ラウンドで6バーディー・ボギーフリーと実力を発揮。文句なしのラウンドで堂々の単独首位に立った。
第1ラウンドは「風が強いので、特にティーショットが大事になります。とりあえず目標はトップ合格なので、ショットの修正をしてスコアをのばしていきたい」と意気込みを話していた。第2ラウンドで山下は、ナショナルメンバーのウェアを着用してスタート。集中力を高めているように感じさせた。スタート1番パー5で1メートルのバーディーパットを沈めると、4番では4メートルのパットをカップイン。「前半はショットを調整しながらピンサイドをねらって、外に外さない」ことを心がけた。
バックナインに入ると10番パー4では、セカンド残り100ヤードからピン50センチに絡めてバーディー。ハイライトは最難易度の14番パー4(489ヤード)。セカンド208ヤードから5番アイアンを選択し、30センチに着けるスーパーショットでさらにスコアを伸ばした。最後までショットの切れは冴えわたり、後半は31ストロークとショット力の高さが際立った。
「今日はショットバーディーが決まった日でした。日中は風もなかったのですが、ピンポジションが傾斜に切ってあることが多かったので、セカンドを置く位置を意識しました。あと2日、もっとスコアを伸ばしていきたいです」と試合巧者の山下は語句を強めた。
山下の姉は、JLGPA賞金女王でもあり、今月のパリ五輪オリンピック女子ゴルフに日本代表で出場したオリンピアンの山下美夢有。「姉とはけっこう連絡を取り合っていて、今回のプロテスト挑戦も応援してくれています」と家族のエールも力に変え、山下は堂々とトップ通過を目指して突き進む。