第2ラウンドはイーブンパー16位からスタートした田中裕真(24歳・フリー)が4バーディー・1ボギーの68で回り通算3アンダーで6位に浮上した。
10番ホールからスタートした田中は17、18番、そしてハーフターン後の1番ホールで3連続バーディー奪取に成功。しかし2番をボギーとしたが3番でスコアを戻して上位グループに入ることができた。
田中は東北福祉大ゴルフ部出身で、蝉川泰果や鈴木晃祐といったツアーで活躍する選手が同期にいるという。今回も現役の学生が4人、OBはざっと数えても7人が最終プロテスト受験に挑戦しているという。「大学でいい仲間に出会えました。上手い選手は小さいころからなにもしなくてもストレスなくドーンと伸ばせる。僕はそうもいきませんでしたけど(笑)」と学生時代を笑顔で振り返る。
田中は学生時代を含め今回で3度目のプロテスト受験。「片山津は元々難易度が高いコースで、全部のティーショットが緊張します。ただ僕の場合はショットに不安があるので、今回の作戦は全部パー狙い。フェアウェイからグリーン中央を狙っていくだけにしました。余計なことがなくなる。チャンスが来るのを待つ感じです」と戦略を立てることにした。
プロテストには苦い経験がある。昨年の2次プロテスト(JFE瀬戸内海)では2ラウンドを終えたところで棄権した。「身体が使えず、プロテストで通用するようなゴルフが急にできなくったんです。棄権して以降、スコアは80台しか出せなくなって相当悩みました」と振り返った。そこでゴルフ動作解析専門家の摩季れい子プロゴルフコーチのアカデミーを訪れた。身体の使い方、肘の動かし方といった「摩季メソッド」を習得するうちに、ゴルフが好転してくるのを感じた。メソッドに出会ってから半年経ち、堂々とプレーできるようになった。プロテスト合格を目指すことを最大の目標にしている。
「同期にはトーナメントで活躍する仲間もいますが、僕はもう少し違う形でゴルフ界に貢献できる形を探したい。あまり頑張りすぎてもだめ。自分に出来ることをやればいいというのは、大学時代で得られた教訓です」と将来を見据えている。ゴルフエリートと言われる大学ゴルフ部での生活が、順風満帆だったわけではない。田中は挫折も味わったからこそ、このプロテスト合格を手にして、新しい生活をスタートさせたい。