中部アマチュアゴルフ選手権タイトル保持者の菱田健斗が、5バーディー3ボギーで回り2アンダー3位タイと初日好スタートを切った。しかしホールアウトするまでは、紆余曲折があった。序盤のホールで緊張からか連続ボギーと「すべて悲惨でした」と一言。チーピン、3パット、不安定なティーショット、難しい3メートルのパーパット。不安なプレーがでてしまった。ここで「落ち着こう。いつも通りやれば大丈夫、出来る」と自らを鼓舞して気持ちを切り替えた。4番、6番でバーディー奪取に成功し、前半はパープレーで凌いだ。
なんとかスコアをゼロに戻し、得意のショット力を発揮しつつあった。後半10番では1メートルのバーディーパットを決めると14番ではチップイン、16番は1.5メートルが入りスコアを伸ばすことに成功、18番はボギーにしてしまったが、アンダーパーでのフィニッシュは、菱田にとって大きな収穫だった。
昨年の最終プロテストで、自分の実力を思い知らされたという。「第2ラウンドが終わって6オーバー。イーブンのカットラインを想定していたので、あと6つ取り戻すしかない、かなりピンチな状況でした。でも第3ラウンドの17ホール目までで、6アンダーにまで持っていけたんです。ところが最終9番ホールで、ティーショットがスタイミーになる木の後ろに。どう考えても木は超えなかったのですが、パーセーブを狙えば合格した。だけどその時にカットラインが1アンダーだったとしたら、セーフティーなゴルフは後悔する」といろんな計算が始まった。
「僕は後悔したくなかったから攻める選択をしましたが、結果ダブルボギーになってトータル2オーバー、不合格。後悔していないと言い切りたいですが、その攻める選択を取らない方法もあったかもしれません」と昨年の最終プロテストはゲームオーバーで涙をぬぐった。
「プロテスト前の中部アマで優勝しましたし、正直自分に自信はありました。ただ、プロテストに合格できなかったのは実力不足。登別から帰ると早速、弱点の強化とすべての底上に励んできました」と振り返った。
菱田の強みはショット力。アイアンに関しては全部のクラブが好きだと言い切る。「登別のテストから一年経ちました。当時の不合格は悔しいですが、自分のパフォーマンスを磨くためにはこの一年が必要な時間。得意のショットを信じて、良い流れを作りたい」。菱田は昨年自滅した経験を糧に、お世話になっている方々へ成長した姿をしっかりと届けるつもりだ。