10月でシニアツアー6年目のシーズンを迎える篠崎紀夫(54)が、この日6バーディー・ボギーフリーの65を叩き出し、首位と3打差の4位につけて2020年大会の覇者の意地を見せた。
篠崎はスタート1番で見事なドライバーショットを披露し、残り80ヤードからワンピンにつけてバーディー発進。3番パー3では20メートルのバーディーパットがカップイン。後半に入ると、アイアンショットも冴えわたり、ワンピンに着けたバーディーパットをことごとく仕留めて後半だけで4つスコアを伸ばしてのフィニッシュ。「初めての会場なので、どういう風に攻めたらいいかなとマネジメントを考えながらやりました。グリーンの傾斜が強いので、なるべく奥に行かないよう、タテの距離感を気にかけていた」と振り返った。
見事なノーボギーラウンドを達成し「ティーショットがラフに行ったのが1つあったかなというくらいで、ほぼフェアウェイ。あとグリーン外したのは、寄せワンのパーを拾えて良かった」と好調な滑り出しだ。
篠崎は21年にシニアで3勝を挙げ、シニア賞金王の座についている。ショットメーカーと言わしめるまでの技量は、所属する千葉県の北谷津ゴルフガーデンで磨かれたもの。しかし2年以降は、賞金ランキング34位、36位と今一つ成績が振るわない。それでも23年はシニア後援競技であるアイドマMCカップ、PGAシニアヒッコリー選手権で優勝。今年に入ると7月北海道のオホーツクシニアオープンゴルフ選手権(地区トーナメント)で逆転優勝をしており、持ち前の爆発力を誇示している。
「賞金王になったからこそ技術の向上を目指し、もっと可能性を広げられるよういろんなゴルフを試してみました。だけど結果がついてこなかった。ゴルフのモットーにしている3M『ムリ、ムラ、ムダ』を守ることが出来ませんでした。これまでプロゴルファー30年やってきて、いきなり1、2年で上にいけることはないと思いましたね」と反省もある。だからこそ篠崎は「自分のゴルフスタイルを信じて、原点に帰ります。賞金シードを獲りにいきます」と決意を新たにしたのだった。