最終ラウンドは44位タイからスタートした堺谷和将(54)が、1イーグル5バーディー・ボギーフリーで65をマーク。会心のプレーを楽しみ40人抜きの単独4位でフィニッシュした。
堺谷の好プレーを支えたのは、交代したばかりのクラブにある。「とにかくドライバーがはまったんですよ。このクラブは全く曲がらないから、みんなが刻むホールも堂々とショットを打てるんです」と満面の笑みを浮かべた。
これまで使用していた地クラブメーカーのドライバーは飛距離が出る代わりに、左右に曲がることも多かったと堺谷。6月のスターツシニアから本大会までの間、いつもお世話になっているお客さんとゴルフに出かけた時のこと。「この新製品のドライバーは、きっとプロに合っていると思うんだよね」と話題になり、なんと堺谷にプレゼントしてくれたという。「うん、ありがたい話でした。テーラーメイドの最新クラブでQi10のLSだったんです。お客さんからプレゼントされることなんかこれまでなかったですし、せっかくだから打ってみたら、これが打感もしっくりくるし、まっすぐにしか飛ばない(笑)。だから、今回からドライバーを思い切って替えてみたんです」と吉兆を感じていたのだ。
いざ挑んだ第1ラウンドは、2バーディー・3ボギーの73で思ったゴルフができない結果に。ホールアウト後、同組でプレーした岡茂洋雄にスイングを診てもらってスイング修正をすることができた。
堺谷にとっては、300ヤードの飛距離を出せるドライバーショットは大事なアドバンテージだが、新クラブでは280ヤードと距離が落ちてしまうという。「これまでとはゴルフのマネジメントが変わるけど、方向性の精度をあげることにしたんです。ゴルフは距離じゃないってね。そうするとティーショットからプレーの流れが良くなったなと実感しています」と落ち着いた口調で振り返った。「フェード気味に打てるショットの安定度がいい。これから始まる後半戦でも、このドライバーがどう活躍してくれるか楽しみです」。
イーグル賞のかかった18番ホールでは、8メートルを沈めてのイーグル奪取。「同組でプレーした高見(和宏)プロが先に長いパッティングを見せてくれたんですよ(笑)。だからこそ獲れたイーグル。みんなが応援してくれるシニアって、ほんと楽しいです」と堺谷はにっこり。身長190センチの大型選手が、40人抜きのトップ5入り。これからの活躍に期待したい。