新規シニアツアー「倉本昌弘INVITATIONAL 第1回EAGLE CUPシニアオープン チャリティートーナメント」が8月14日、15日の2日間大会として、北海道にある札幌ベイゴルフ倶楽部(6,877ヤード/ パー72)で開催される。シニアプロ84名、アマチュア19名の総勢103名が参戦し、賞金総額は2500万円、優勝者には賞金450万円が贈られる。
8月の北海道・札幌は夏の爽やかな季節。札幌の地では、例年道央アマゴルフ研修会主催の「札幌オープン」が長きに渡り開催されてきた。しかし2021、22年とコロナ禍の影響で休止。2023年は「新しいトーナメントスタイル」を求めて男子プロ、女子プロ、シニアプロがミックスで競う「第46回札幌オープンゴルフチャリティートーナメント」として再開。蓋を開けてみれば、1日大会としては最多ギャラリーが来場するほどの大きなイベントとして成功した。
今年はどうイベントを創り上げようかと、春先に実行委員会が動き出そうとしていたところ、札幌オープンに特別協賛を続けている正栄プロジェクト・美山正広代表取締役が「シニアの大会はどうか」と提案。再来年には還暦を迎えるという美山社長は「自分自身が身体的な衰えを実感する中で、ゴルフへの意欲、熱意だけは全く衰えない。これはシニアツアー選手の皆さんも同じではないかと。50歳過ぎてもまだまだ上達している。藤田寛之プロは6月の全米シニアオープンで優勝争いをされました。今年69歳を迎える倉本昌弘プロはまだまだゴルフが楽しい、大好きだとおっしゃっています。熱意と勇気があれば、ゴルフは伸びしろがあるスポーツです。このようなシニア世代のゴルフを楽しみたい、魅力を味わいたいと思い、今年はシニアツアーにシフトさせていただいた次第です」と新規シニアツアーに至った経緯を説明した。
本大会が新規シニアツアーに加わったもうひとつの理由は、今年ゴルフの殿堂入りを果たした倉本昌弘の存在が大きいと美山社長。倉本は正栄プロジェクトの保有するTHE EAGLE GOLFというインドアDXゴルフ練習場の監修をしていることもあり、冬の時期には練習場でレッスンにも携わっているという。「シニアツアーを開催するのであれば、ぜひトーナメント名に倉本プロの名前を冠にしたいと交渉させていただきました。私はそのような形でシニアツアーを応援していきたいのです」というトーナメント開催への思いを明かしている。
札幌ベイゴルフ倶楽部は石狩川の河口にあるゴルフ場で、コース設計家のピート・ダイによる作品で強弱のあるフェアウェイのアンジュレーションやポットバンカー、浮島グリーンといった特徴あるレイアウトを持ち、フラットな地形には全ホールに池が配置された美しいレイアウトを持ち合わせている。本大会の競技委員長を務める天野克彦は「ハザードが巧みに配置されたコースですので、ショットの正確性が非常に求められます。様々な方向から風が吹き抜けますから、状況を判断する観察力、そして高いマネジメント力を備えた選手が上位に来ると思います。プレーヤーは14本のクラブを駆使してゲームを組み立てなければならないので、とても面白いコースです」と札幌ベイの魅力を伝えている。
大会名に現役プレーヤーの名前が入った大会は日本のトーナメントでも数少ない。
レギュラーツアーでは中村寅吉、ジーン・サラゼンの2人。シニアツアーではサム・スニード、ベン・ホーガン、小林旭に続く4例目の大会となる。
大会前日のインタビューで倉本は「元々新規のツアーをやってもらうということではなくて、あれよあれよとツアーになって、そこに倉本の冠が付くということで、美山さんには「倉本さんの名前が付くなら(ツアー)やってもいいよ」とおっしゃっていただきまして。それでは是非という流れになり『倉本 INVITATIONAL』という大会名になりました」と成り行きを説明した。そして「第1回目ということで中々告知出来ていないのですが、ギャラリーのみなさんが観に来てよかったと思える試合が出来て、今後札幌のシニアって面白いねとなってくれることを望んでいます」と穏やかな表情を浮かべた。
今季シニアツアーは第4戦目。夏の陣の見どころはトップシニアプロの技を北の大地で楽しんでもらうことに尽きる。